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» 2018年02月17日 06時00分 公開

“声で操作”が運転席を変える――CESで見えたミライのクルマ (1/3)

「CES 2018」でも年々存在感を増すコネクテッドカー。今年はもう1つのコネクテッド――“人とクルマをつなぐ”ボイスインタフェースやコックピット周りの新技術が注目を集めた。

[山本敦,ITmedia]

 毎年1月に米国ラスベガスで開催される世界最大級のテクノロジー展示会「CES」では、次世代コネクテッドデバイスの1つと目される自動車関連の展示が年々存在感を増している。さらに今年はもう1つのコネクテッド――“人とクルマをつなぐ”ボイスインタフェースやコックピット周りの新技術が注目を集めた。

エアコンやパワーウインドウを音声で操作

 パナソニックは、CESのメイン展示会場となるLVCC(ラスベガス・コンベンション・センター)にブースを構え、同社が世界で展開する車載インフォテインメント(In-Vehicle Infotainment:IVI)のコンセプトと技術を中心に展示した。インフォテインメントとは、情報(インフォメーション)と娯楽(エンターテインメント)を提供する情報システムのことだ。

パナソニックはADAS(先進運転支援システム)のレベル2以降の普及を見込んで開発された「Smart Design Cockpit」のプロトタイプを展示

 CESの開幕前日に行ったプレスカンファレンスでは、パナソニックが“次世代の車載インフォテインメントシステム”として掲げる「スキップ・ジェネレーション IVI」のプロジェクトに関連する新たな取り組みを発表。米Amazon.comとGoogleをパートナーに迎え、AIアシスタントの「Alexa」と「Googleアシスタント」をパナソニックが今後発売する製品に搭載することを明らかにした。

パナソニックのプレスカンファレンスにはAmazonのシニアバイスプレジデント、Tom Taylor氏(左)も登壇。車載向けのAIプラットフォーム「Alexa Onboard」の特徴を説明した

 ハンドルから手が離せないクルマにおいて、音声操作は相性が良く、声で操作できるカーナビゲーションシステムなども商品化されている。さらにAIやディープラーニングの技術を取り込み、クルマがドライバーの行動を先読みしながら運転をサポートできるという。AmazonとGoogleは、ともに車載インフォテインメントシステムのために開発したAIプラットフォームをパナソニックなど複数のパートナーと連携しつつ開発を進めており、その一端を今回のCESで披露した形となる。

 Amazonの担当者は「Alexa Onboardという、クルマに最適化したAIプラットフォームをパナソニックを重要なパートナーに迎えて開発している」と明言。GoogleのプラットフォームはモバイルのAndroid OSと同じ最新バージョンの「Android 8.0 Oreo」がベースになるようだ。

 カンファレンスのステージでは、音声で車内のエアコンを設定するデモを披露した。Amazonのプレゼンテーションでは、ユーザーが設定しようとした温度に対して「その室温は高すぎるから、これぐらいに抑えておきなさい」とAIが指南する様子も紹介。Googleの車載用地図アプリも音声操作に最適化し、さらに使いやすくなるという。

 そして両社のAIプラットフォームはともに、セルラーネットワークに常時接続していなくても(=オフライン)使える機能を実装するようだ。例えばエアコンの操作やパワーウインドウの開閉など、車内の設備が音声でコントロールすることを想定している。

スマートスピーカーを操作する感覚に近い、車載インフォテイメントの音声コントロールを実現。オフラインでできることも数多くある

 日本国内ではまだインターネットに常時接続されたコネクテッドカーが欧米ほど普及していない。まずはオフラインでも音声コントロールが便利に使えるようになれば、クルマがスマート化することへの価値が見直され、コネクテッドカーの普及に一役買ってくれるかもしれない。

GoogleからHead of Partner Engineeringの肩書きを持つGene Karshenboym氏がゲストスピーカーとして出席。Androidをベースした車載向けAIプラットフォームのデモンストレーションを披露した

「デジタルコックピット」

 今年のCESは自動運転車に関連する話題も盛り上がった。現在は自動運転のレベルが「0」から「5」まで段階的に定義されていて、数字が大きくなるほど運転タスクの自動化が進む。近い将来、レベル5に相当する「完全自動運転車」が誕生すれば、われわれはクルマというプライベート空間を持つ乗り物で移動する間、時間を自由に使えるかもしれない。そんな未来のクルマが搭載しそうな「デジタルコックピット」のコンセプトに、展示会場のさまざまな場所で出くわした。

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