SIMフリー・Windows 10 Mobile・iPhone 6s Plus――キーワードで振り返る2015年のスマホ:スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2015(3/3 ページ)
2014年12月〜2015年11月に発売されたスマホ10機種の中から最優秀機種を選出する「スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2015」。SIMロックフリースマホの躍進と、Windows 10 Mobileが話題となった2015年ですが、「iPhone 6s Plus」は審査対象にすら挙がりませんでした。選考委員の皆さんに、これら3点について自由に討論してもらいました。
誰も選ばなかった「iPhone 6s Plus」
―― 2015年のスマートフォン・オブ・ザ・イヤーには、皆さん「iPhone 6s Plus」を選んでいません。これには何か理由があるのでしょうか。
石野氏 なぜ、こんなに大きいのに(ホーム画面の)アイコンを上から並べてしまうのか。これでは、片手で使えません。このサイズでこのUIを続ける限り、ここに挙げることもないし、自分で買うこともありません。
太田氏 5.5型の画面でも、コンパクトさや持ちやすさを追求するスマホがある中で、(iPhone 6s Plusの)持ちにくさは異常です。スマホリングなどの補助がないと持てないのは……。
石野氏 裏にリングを付けないといけない、ということはデザイン的に失敗ってことじゃないですか。重心や持ちやすさ的に。
島氏 ポエムが書けそうな圧倒的なまでの高性能、っていうのはさておき、このサイズでステレオスピーカーではないのはマイナスですね。
佐野氏 画面の解像度的にも(他社の同型画面のものと比べると)劣っていますしね。
太田氏 iPhoneはずっとスピーカーが貧弱なんですよね……。
島氏 モノラルスピーカーとしては悪くないのだけれど、他のフロントステレオスピーカーなどと比べてしまうと迫力が足りないんですよね。他社は、改善が進んでいますから。
石野氏 どんどん薄くなって、どんどん持ちにくくなっていますね。6sはまだ持てますけど、いつ落とすかヒヤヒヤしてしまいます。
村元氏 6sはカバーを付ければちょうど持ちやすくなる感じですよね。でも6s Plusはカバーを付けるとさらに持ちにくくなる……。
佐野氏 横幅の問題もありますしね。
村元氏 去年(2014年)よりも「Plus」の売れ行きが良くなったという報道はありますよね。
石野氏 世界では確かにそうですね。
佐野氏 日本では逆に(6s Plusになって)売れ行きが小さくなったようです。6 Plusを買った人が6sに機種変更する、というケースも多いですから。
村元氏 僕は去年(2014年)、6 Plusを先に買ってすぐ使いにくいと思って。今年(2015年)は迷わず6sを買いました。
―― 結局、去年(2014年)の6 Plusからあまり変わっていないことが結果として評価的にも下がってしまったのでしょうか。
村元氏 そうですね。6s Plusの方は、6sよりも改良の余地はたくさんあったと思うんですよ。
石野氏 ソフトを(6sとは)変えるだけで結構良くなると思うんです。アイコンを下の方に寄せるとか。なのに、何もやっていないので……。
村元氏 キーボードを左右に寄せられないのも問題だよね。
石野氏 ジョブズ氏が墓場から出てくるんじゃないかと心配になりますよね。
太田氏 自動車での移動がメインで、助手席に(端末を)ポン、っていう使い方ならいいのかもしれませんが、電車の中で片手操作が事実上必須、という状況であの持ちにくさは致命的です。
石野氏 キーボードが片手入力前提で作られていることも問題ですよね。日本語入力ももっと改良してほしいです。フィードバックが欲しいんですよね。
房野氏 (iPhoneの)日本語入力で困ったことはあまりないですね。
佐野氏 Appleが導入した新機能があまり使われていないことが心配ですね。新機能よりも「速くなったiPhone」的な使い方をしている人が多いのが気になるんですよ。
石野氏 メインメモリが増えたのはいいですよね。
太田氏 3D Touch対応のアプリが出るのが遅いですよね。特にゲームでは感圧に可能性があると思うのですが。
佐野氏 (3D Touch対応)ゲームにしても、「何か違うな」という印象があるんですよね。こなれたレベルまで作り込むには、まだ時間がかかるかな、と思います。
石野氏 グローバルを考えると、Androidに移植できないゲームは商売にならないですよね。iPhoneの感圧タッチに作り込んでいいのか、と。
房野氏 長押しでいいじゃないか、っていう操作が多いですよね。
石野氏 ソフトウェアの詰めが甘くなっていますよね、iPhone。
佐野氏 iPhoneの提案力が弱くなっているのが心配なんですよね。そこが起因となってスマホ全体のレベルアップが図られてきたことを考えると。
ここまで、選考委員の方にいろいろ語っていただきました。次回は、「いよいよスマートフォン・オブ・ザ・イヤー2015」を発表します。お楽しみに!
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