「SIMフリー日本一」――FREETELが目指す新たな“頂“(2/2 ページ)
FREETELブランドでSIMロックフリー端末とMVNOサービスを手がけるプラスワン・マーケティング。2016年は、2015年に築いた「基礎」をもとに、「SIMフリー日本一」を目指す。
店舗:MNP即日対応と「FREETELコーナー」で大手キャリア並みを目指す
店舗展開では、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ティーガイア(Smart Labo)の計24店舗でMNP(携帯電話番号ポータビリティ)の即日対応ができる体制を整えたほか、ヨドバシカメラの一部店舗では大手キャリア並みの売り場面積を持つ「FREETELコーナー」を整備した。「その場所で、契約・開通ができる。売り場で最短5分でMNPで対応できる」(増田社長)という、キャリアショップと同等のサービスを提供すべく、今後もFREETELコーナーを拡大していくという。
サポート・サービス:端末・SIMを一体でサポート さまざまなサービスも開始
複数のメーカーに勤務していた自身の経験から、「正直、売るまでが一生懸命で、売った後のサポートはどうしても『コスト』と考えてしまうメーカーが多い。私はその考え方が嫌い」と言い切る増田社長。「売るまで頑張るメーカーではなくて、使ってもらってからのサポートをしっかり充実させる」という考え方は、FREETELのサポート体制作りにも反映されている。
まず、コールセンターを本社内に設置し、自社スタッフが対応する体制を整えた。コールセンターでは、端末・SIMを一体でサポートしており、「SIMに関してはどこどこに聞いてください、といった『たらい回し』をすることがない」という。
製品の補償サービスや、リモートMNPサービスなど、安心感や利便性を高めるサービスも開始した。また、FREETEL SIMを初めて使う人のために無料の冊子を配布し、格安SIMにつきまといやすい「難しい」というイメージも払拭(ふっしょく)するための取り組みも行った。冊子については、今後端末に関するものも作りたいという。
企業:本社移転・海外拠点設置・増資で体質強化
企業としては、新橋に本社を移転し、事業規模の拡大に対応できる素地を整えた。また、海外展開を拡大するために、シンガポール、香港、中国、韓国、米国、ドバイ、メキシコに支社(子会社)を設立し、取締役として元Motorolaのイアン・チャプマン氏を招聘(しょうへい)した。その結果、というわけでもないが、200人いる従業員の国籍は11にも渡り、「いろいろな言葉が飛び交っているが、みな同じく『世界一になるぞ』という気持ち」(増田社長)で働いているという。資本についても、21億3000万円の第三者割当増資を実施することで、より安定した事業運営を行える環境作りを行った。
2016年のFREETELは「SIMフリーで日本一」を目指す
MM総研が公開したMVNOの市場予測では、MVNO回線の契約数は2016年3月末から2017年3月末にかけて約1.5倍の増加を見込んでいる。この予測を引き合いに、増田社長は「FREETELは『SIMフリーで日本ナンバーワン』を目指す」と決意を語った。MVNO回線の年間契約数で1位を獲得すると同時に、SIMフリー端末のシェアも年間を通して1位をキープし、海外への端末販売もより本格化するという。
SIM製品では、手始めにFREETEL Prepaid Data SIM for Japanの「WeChat版」を1月25日に発売する。主にWeChatのユーザーが多い中国人をターゲットにしたプリペイドSIMで、WeChatの通信に関してはパケット通信料が無料となることが特徴だ。また、近日中に「そう来たか」と思うような新料金プランを発表する予定もあるという。
FREETELコーナーについては、ヨドバシカメラの全店に拡大し、ビックカメラの主要店舗にも設置する予定だという。また、コーナーでの端末修理受付やSIMカードのサイズ変更・再発行もできるようになる見通しだ。ティーガイアのスマホアクセサリショップSmart LaboでのFREETELコーナーも拡充していく予定とのことだ。
海外展開では、北米・アジア・中東での販売を本格化する。その手始めとして、3月にアメリカの家電量販店で端末の販売を開始する予定だ。それに先んじて出展したCES 2016では、極と「MUSASHI」の人気が高かったという。
また、先述のseatelとは、追加投入する機種を含めて2016年に合計で50万台の端末を販売する契約を結んだという。
さらに、2月にスペイン・バルセロナで開催する「Mobile World Congress(MWC) 2016」においてSAMURAIシリーズの新端末を披露することを表明した。
サービス面では、端末を1時間以内で届けるサービスを可能なエリアから提供する予定だ。さらに、端末の買い取りサービスも開始する見通しだ。いずれも、詳細については後日発表する予定だ。
2016年のFREETELは、2015年に行った取り組みをより深める戦略をとるようだ。端末と通信を両方手がける企業として、日本だけではなく、世界のより広いフィールドに挑む。
2015年のブランド刷新時に、増田社長は「10年以内に世界一になる」という目標を掲げた。「Made by JAPAN」が残り9年半のうちに世界一になれるかどうか。2016年はその試金石となる1年となりそうだ。
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