ニュース
» 2004年02月04日 23時59分 UPDATE

“すごく飛び出る”立体視や“すごい色”のCRT――PAGE 2004

印刷DTP業界の総合展示会「PAGE 2004」が開幕。「先端技術ゾーン」では、圧倒的な“飛び出し感”を誇る新しい立体視技術や、世界初のAdobe RGB対応ディスプレイなど新たな印刷ビジネスの創造が期待される新技術や新製品が紹介されている。

[西坂真人,ITmedia]

 印刷DTP業界の総合展示会「PAGE 2004」が2月4日から東京・池袋のサンシャインシティで開幕。その中の「先端技術ゾーン」では、新しい印刷ビジネスの創造が期待される新技術や新製品が紹介されている。

 媒体の多様化にあわせて、印刷メディアとデジタルメディアの垣根はどんどん低くなっている。そして今、印刷業界では、メディアの垣根を越えてデータを二次活用する「クロスメディア」が注目されている。このクロスメディアにリアルな表現力を付加するテクノロジーとして期待されているのが「立体視」技術だ。

 先端技術ゾーンの展示では、裸眼での立体視を可能にした三洋電機の「多視点立体視ディスプレイ」や、ボタン1つで3Dと2Dの切り替えができるシャープの3D液晶ディスプレイ搭載ノートPC「Mebius PC-RD3D」といったITmedia読者にはお馴染みの立体視用ディスプレイを紹介。

 またシャープのコーナーでは、このノートPC以外に15インチ(XGA)外付け液晶ディスプレイに立体視機能を搭載した試作機も参考出展していた。

mn_page1.jpg 立体視機能を搭載した外付け液晶ディスプレイ試作機

 試作機はノートPCと同じように、「視差」を利用して3D表示化する「パララックス(視差)バリア」方式を採用。デバイス性能もノートPCとほぼ同じになる予定だ。

 「最初にノートPCで提案したのは、ソフトウェアまで含めた3D環境をオールインワンで提供できる最適解だったから。だが、マッキントッシュを使っているクリエーターからのニーズや、自分が今使っているデスクトップPC環境で3Dを試してみたいというユーザーの声も多かったため、外付け液晶ディスプレイの開発に着手した」(シャープ)

 技術的な課題は少なく、現在はPCとの接続方法(アナログ/デジタル)、外付け型としての輝度、価格、3Dの切り替え方法、画面サイズなどを展示会を通じてモニタリングしているという。

圧倒的な“飛び出し感”――「遠山式立体表示法」

 裸眼での立体視は「いわれてみれば(意識して見ると)3Dに見える」程度のものが多く、シャープや三洋電機の立体視ディスプレイも、残念ながらこの領域を脱してはいない。やはり“飛び出し感”ならば、カラー/偏光フィルターや液晶シャッターを使ったステレオメガネ方式に分がある。

 その中でも圧倒的な“飛び出し感”で来場者の注目を集めていたのが、ナムコが出展していた新しい立体視技術「遠山式立体表示法」。小さい頃に雑誌の付録などに付いていた昔懐かしい赤青メガネ方式(アナグリフ方式)で赤色と青色にズレた印刷物を見るのだが、その飛び出し具合はまさに“目をみはる”ものになっている。

mn_page2.jpg

 「立体物を見た時、人は輻輳/焦点距離/視野角の“ズレ”を脳内で合成処理して立体感を認識する。だが従来のステレオメガネ方式は、この“ズレ”に誤差や矛盾があったため、キレイな立体物に見えなかったり、疲れやストレスを感じたりした。遠山式立体表示法は、この“ズレ”を正確に計算することでどれが虚像が分からなくなるほどの存在感ある立体視が可能になった」(ナムコ)

 展示では、本物の立体物と並べて比較したり、紙幣/硬貨の印刷物の中に本物の1円玉を紛れ込ませたりしているのだが、メガネ越しに見える立体物は、どれが本物か偽物か本当に区別ができないほど。この立体感を、撮影した写真で紹介できないのが残念なところだ。

mn_page3.jpg

 会場ではアナグリフ方式だけでなく、液晶ディスプレイと偏光フィルターを使った立体視システムも展示。こちらは、有沢製作所が開発した独自偏向素子で構成する「μPol(マイクロポール)」システムを使っている。こちらも赤青メガネ方式に負けないぐらいの“飛び出し具合”で、グラビアアイドルの画像では、まるでディスプレイ上に1/1スケールのちょびっツすももが寝転んでいる(←分かり辛い)かのようなリアルさだ。

mn_page4.jpg

 この遠山式立体表示法は、裸眼での立体視が可能なレンティキュラ(かまぼこ型レンズ)方式にも対応している。煩わしいメガネなしで、圧倒的な飛び出し感のある3Dを楽しむことも近い将来できそうだ。

コンシューマ向けにも欲しいAdobe RGB対応ディスプレイ

 NEC三菱電機ビジュアルシステムズ(NMビジュアル)が展示していたのは、昨年10月に発表したAdobe RGB対応の広色域22インチCRT「RDF225WG」。Adobe RGBはアドビシステムズの「Photoshop」が採用している色空間で印刷業界などで標準的に使われている。「Adobe RGB規格の色空間をほぼ全域サポートする世界初のディスプレイ」(NMビジュアル)

mn_page5.jpg Adobe RGB対応の広色域22インチCRT「RDF225WG」

 印刷業界だけでなく、最近の一眼レフデジカメ(DSLR)でもAdobe RGBの色域をサポートするものが増えてきた。だが従来のディスプレイはsRGBにしか対応してなく、sRGBより広い色空間のAdobe RGBを正確に表示できなかった。RDF225WGは従来のCRTに比べ135%の色再現域を持ち、Adobe RGB色空間の97.6%をカバー。米国の標準的な印刷条件「SWOP」も99.9%カバーする実力を持つ。

 「R(赤)とG(緑)の色域が特に広がっており、花の深い赤色や、エメラルドグリーンに輝く海の色などをほぼ正確に再現できる。特にディスプレイ表示色と印刷物とで違いが大きかったシアン系の色の再現性が大幅に向上している」(NMビジュアル)

mn_page6.jpg Adobe RGB対応の「RDF225WG」(左)と、プロ向けに従来から人気の「RDF223G」(右)。R(赤)とG(緑)の色域が特に広がっている

 受注生産品で実売は58万円前後と一般ユーザーには手の届きにくい製品だが、DSLRで撮影した画像を“本物の色”で表示しながらレタッチしたいといったニーズにもぜひ欲しい1台だ。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -