コラム
» 2004年03月15日 10時12分 UPDATE

International Feel:「Windows Media」×「携帯」×「欧州」

このところ海外ではSCOの訴訟ネタが続いたが、先週はMicrosoftが久々に色々なニュースを提供してくれた。ケータイあり、訴訟ネタあり、加えてSCOの資金源はMSとの説まで飛び出していて……。

[松尾公也,ITmedia]

 世界のIT情勢を、主にITmediaの記事リンクと日本語で読み解くという(大げさ)連載「International Feel」(このタイトルに気づいてくれるのは、こんなタイトルつける姉歯氏くらいか)、前回からのインターバルは短いが、ここ数日間、大きめのニュースが続いたMicrosoft関係記事を、素早くまとめておこう。

“ケータイ”に目を向けるMicrosoft

 3月12日の速報記事に、MS、無線ビデオ配信システム「MobileVision」提供というものがある。なんてことなさそうな記事だが、同社のWindows Media戦略の唯一の弱点である「ケータイ向け配信」の部分を補完しようという動きだ。

 言っちゃなんだが、ケータイ用の動画フォーマットは、目下のところMPEG-4で決まり、である。MPEG-4コーデックを一部に取り入れてはいるが、フォーマットそのものでは互換性のないWindows Mediaは、このままでは携帯電話の動画像配信に加わることができない。

 現在、その標準は3GPPとなっているが、このフォーマットに関してはQuickTimeが押さえてしまっている。そこで、サードパーティーの力を借りて、Windows Media 9を核にした送信システムを無理やり作ってしまおうというわけだ。

 せっかくWindows Mobileベースのスマートフォンの普及を図ろうというときに、3GPP/MPEG-4 vs. Windows Media 9という図式がボトルネックになってはいかん、というわけだろうか。携帯での動画像配信では、ASF/MPEG-4が先行していたにもかかわらず、廃れてしまったという経緯がある。Microsoftとしては、最終出力が3GPPになっても、ソースの部分はWindows Media 9を使ってほしいのである。でも、Microsoftは以前にも同じようなものを発表しているのだった(Microsoft and PacketVideo Announce Breakthrough Agreement)。

 そして、携帯に関してもう一つ、Microsoftは仕掛けている。携帯用ドメイン新設をきっかけにNokiaとMSが緊張緩和?の報道だ。携帯用のトップレベルドメインの創設で、犬猿の中の“Symbian”Nokiaと“Windows Mobile”Microsoftが手を組む、というもの。そのために、合弁会社を設立するというのだ。

Microsoft vs. RealNetworks

 Microsoftのメディアテクノロジーについては、RealNetworksとの絡みで、さらに話題がある。RealNetworksが契約違反で大リーグを提訴したのだ。大リーグは、Realでの放送を契約しておきながら、Windows Mediaのみの放送を続けていたというのだが、この契約ではRealからメジャーリーグにお金が動いていた、ということだろうか? MicrosoftとRealNetworksは現在、裁判で角突き合わせている。MS、RealNetworksとの訴訟で裁判地変更要求通らずという記事で、両社の係争がいまだに進行中だということが明らかになったわけだ。

 Realのロブ・グレイザーCEOは元Microsoft社員で、ビル・ゲイツ氏に怨みを持っているとの観測もあるが、欧州でもMSに対するプレッシャーは高まっている。EU独占禁止当局は、MicrosoftはWindowsからWindows Media Playerを削除する、是正措置を準備中だという。

 とは言え、前述のとおり、メディアテクノロジーは携帯電話や音楽ダウンロード販売などの新分野に戦いの場を移していることから、EUの是正措置は“昨日のMS”にしか効かないとの意見も専門家から出ているようだ。このEUの動きは、日本の公正取引委員会によるMSKK立ち入り検査がきっかけとなっているのも興味深い。

SCOの“黒幕”はMicrosoft?

 日本では、脆弱性をフィックスした「Office XP SP3 日本語版」がダウンロード公開されたが、米国では、サービスパックではなく、本物のOfficeが配布されたそうだ。

 同社は、Office 2003を昨年以来、大規模顧客の従業員向けに何万個も無償で提供し、今年に入り、この無料提供を政府職員にも拡大したのだが、国防総省は、これを倫理規定に抵触するとして拒否するよう通達を出した。

 Officeをコントロールするために必要なサーバ製品を政府機関に購入してもらうための方策だろうが、この製品をちゃんと買ったユーザーは、何を思うのだろうか? Microsoftはユーザーの圧力により変わりつつあるというが、その結果がこれだとしたら……。

 でも、こんな話も、ちいさい、ちいさい。Microsoftはもっともっと大きな「爆弾」を用意してくれていた。もちろん、「『SCOへの出資はMSの紹介』とBayStar認める」である。

 SCOとMicrosoftは、オープンソースへの憎しみでつながっているだけでなく、SCOの一連の訴訟への資金提供で、Microsoftがアドバイスをしていることが、その資金を提供した投資会社BayStarにより暴露されてしまったのだ。これで、エリック・「伽藍とバザール」・レイモンド氏による指摘が、少なくともある部分までは裏付けされてしまったわけだ。

 この件に関しては、マイケル・カネロス氏が、一連の事件に関連した人物の不思議な相関関係に関する面白い考察をしている。「Microsoftの関与」を示す暴露文書の発信者であるS2とSCOのダール・マクブライド氏の関係や、Novell人脈の関わり合いが解き明かされており、今後、さらに複雑な展開を見せるであろう、SCO=MS疑獄の背景を勉強するのにうってつけと言える。

CloseBox

 うってかわって、陰謀のかけらもない、平和な家庭のお話しである。前回取り上げた、“iPod 40GB with roadie”をジムでデビューさせた。左の上腕部に取り付けて走ったり、運動などしてみたが、特に違和感はなかった。上半身の左側の筋力が弱いらしいので、ちょうどいいかも。

 でも、かさばるのは確かなので、運動するならこばやしゆたか氏がレビューしたiPod miniくらいが適当だろうなあ。それと、アームバンドにするなら、iPodのディスプレイを見たり、操作しやすくするために、回転できる機構があるとうれしいかもしれない。

 初代の「5GB iPod」は、iBook 800MHzをゲットしたうちの次男のところに嫁に行ったのだが、iBook Tangerineユーザーの長男のほうが、「オレも欲しい」と言い出した。だからといって、iBookの新しいのと新iPod、合計して少なくとも15万円の出費はきついので、代替案を考えた。USB+iTunesで使えるMP3プレーヤーである。以前は、Rioが使えたのだが、けっこう早くに壊れてしまったので、今度は別のにしたい。で、見つけたのがアドテックのMPIO FD 256MB内蔵モデルだ。

 アドテックの製品ラインでは、AD-FD10とAD-FL10が、どちらもiTunes 4プラグインに対応している(プラグインはここからダウンロード可能)。購入したのはFD10の256Mバイトフラッシュメモリを内蔵したモデルだが、スマートメディアによるメモリ増設も可能なので、ソリッドステートにしては余裕のある作りだ。

 しかし、こいつが256Mバイトで2万円弱。あと1万円くらい出せば、容量16倍のiPod miniが買える(かもしれない)のだが、これで満足してもらおう。エアロスミスの東京ドーム公演も確保してやったことだし。

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