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» 2004年06月01日 19時15分 UPDATE

就学前からIT教育――IBMが千葉の保育所にPC寄贈

幼児用のPCを寄贈し、保育士向け研修も行なって幼児向けのIT教育を推進するIBMの「KidSmart」。子どもの頃からPCに親しませ、デジタルデバイド解消を目指す。

[岡田有花,ITmedia]

 日本アイ・ビー・エム(IBM)は6月1日、千葉県内の102の認可保育所・保育園にPCと教育ソフトを寄贈すると発表した。未就学児を対象に同社が取り組むプロジェクト「KidSmart」の一環。幼児教育にITを導入することで子どもの創造力を育成するのが狙い。同日、同県の堂本暁子知事が出席して贈呈式が行われた。

yu_ibm_01.jpg Young Explorerで遊ぶ堂本知事。「とても楽しいゲーム。子どもだけでなく、保育士さんも夢中になっちゃいそう」

 KidSmartは、米IBMが1998年から世界で展開している幼児教育プログラム。国内では2002年から始め、これまでに北海道や関東・近畿など計約300の保育所・保育園に寄贈してきた。支援額は国内だけでも年間約45万ドル。もちろん、ITの有効活用やITリテラシーの向上は巡り巡ってIBMに利益をもたらす。IBM流のビジネスの一環というわけだ。

 寄贈するPCは、カラフルなプラスチックボディの「Young Explorer」。米IBMが開発した幼児教育用ソフトの日本語版がインストールされている。キーボード部はキートップが平らで大型の特製で、子どもが乱暴に叩いても壊れにくくしてある。

yu_ibm_02.jpg ボディは、子どもが親しみやすいデザインにしたという。PC本体はディスプレイの下部に収納されている

 保育所・保育園に寄贈されるのはほぼ1台ずつ。IT導入効果が十分に得られるよう、保育士を対象に事前研修を行う。研修では、PCと日常の遊びとの連携などのほか、1台しかないPCを子どもが順番に使う、といった社会的ルールを自然に身に付けたケースなども紹介される。

 導入後も幼児教育コンサルタントによる研修会などを開いたり、専用Webサイトによる保育士同士の情報交換、電話によるヘルプデスクの設置など、寄贈後も1年間は継続的に支援していく。

 日本IBMで社会貢献事業を担当する松宮光予子部長は「小学校からPCを使った教育が始まり、PCを教育に導入したいという保育所などは増えている。しかし導入しても保育士が雑務用に利用しているのがほとんどで、実際に保育現場でPCを活用しているのは5%以下にとどまる」と指摘する。

 KidSmartでは、PCというハードの導入だけで終わってしまわないよう、研修など保育士向けの支援を手厚く行うことで、PCの教育効果を引き出す狙いだ。実際、KidSmart導入前のアンケートで保育士の5−6割は「PC導入は不安」と答えたのに対し、導入後は9割以上が「導入してよかった」と振り返るという。松宮部長は「KidSmartの良さを言葉で説明するのは難しいが、使ってもらえれば分かると確信している」と自信を見せる。

 贈呈式は千葉県庁近くの施設で行われた。堂本知事は「幼児からのPCに親しめば、PCにコンプレックスを持つ子どもも減るだろう。また、知育ゲームで楽しみながら学習もできる。10−20年後には、千葉県の子ども達が、他の地方の子ども達よりも優れていると言われるようになりそうだ」と期待していた。

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