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元研究員、1日1回のネット監視認める ACCSと和解

» 2004年06月08日 19時36分 公開
[ITmedia]

 コンピューターソフトウェア著作権協会(ACCS)のWebサイトから不正に個人情報を引き出したとして起訴された元京都大学研究員に対し、ACCSがWebサイトや掲示板を監視することなどを求める仮処分を申請していた問題で、ACCSは6月8日、両者間での和解が6月3日に成立したと発表した。

 和解内容は、(1)元研究員がACCSのサーバから入手した約1200件の個人情報と、元研究員が作成した資料がネット上に流布・拡散していないか、6月3日から1年間にわたって1日1回程度ネット掲示板やWebサイトを点検すること、(2)個人情報を見つけた場合はACCSに報告するとともに、掲示板やサイト管理者などに削除を求め、掲載した人物の特定に向けて情報収集を行うこと、(3)月1回の割合でACCSに点検状況を報告すること。

 仮処分申請内容から、ファイル交換ソフトの監視がはずされ、点検の回数が1日1回「以上」から1日1回「程度」になっているほか、発見の際のACCSへの報告義務が付け加えられているが、それ以外はほぼ申請通り。監視する掲示板は「2ちゃんねる」「2ちゃんねるプロバイダー」「はてなダイアリー」。

 ACCSによると、同事件では、個人情報を公開された被害者3人が損害賠償を求める訴訟を起こしている。しかしACCSは、「仮に賠償請求が認められたとしても、個人情報を公表された人の不安は消えない」と指摘。今回の和解がネット監視の強化につながり、情報の拡散防止に寄与する、としている。

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