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Intel、LCOS TVチップ計画を断念

» 2004年10月22日 08時26分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Intelは、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)チップを開発し、低価格リアプロジェクションTVを実現する計画をキャンセルする決定を下した。同社広報担当者が10月21日、明らかにした。

 このプロジェクトは「Cayley」というコードネームで呼ばれており、1月のConsumer Electronics Show(CES)でIntel社長のポール・オッテリーニ氏が聴衆を前で披露し、2004年末までにテレビ用チップを出すと語った。しかし、Intelは8月、差別化を図った製品を市場に投入する目的で、2005年第1四半期に出荷を延期すると修正した

 しかし、今年のIntelのプロジェクトの多くがそうであるように、Cayleyもまた期待通りには運ばなかった。Intelは既に投入した資金、予想される収益を見通した結果、より投資効果の高い製品にフォーカスすることを決定したと同社広報は語った。「開発は完全に取りやめる」と担当者。

 Cayleyは50インチのデジタルTVを2000ドル以下で製造することを目的としたプロジェクトで、Intelは当初、100万画素のLCOSチップ開発を計画していた。しかし、ライバルであるTexas Instrumentsが同スペックの製品販売で成功していたため、目標を200万画素に引き上げると8月に明らかにした。

 LCOSは極度に難易度の高い技術ではないが、液晶と色ガラスをトランジスタ上で統合する技術が必要で、Intelはこの分野において経験不足だったと指摘するアナリストもいる。

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