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» 2004年11月25日 20時08分 UPDATE

ITmediaと@IT、来年3月に合併

メディア規模を拡大し、経営の安定性を高める。両ブランドは当面は並存するが、エンタープライズ向け、IT技術者向け、コンシューマー向けにそれぞれ新ブランドを構築する計画。早期の株式公開を目指す。

[岡田有花,ITmedia]

 IT総合情報サイト「ITmedia」を運営するソフトバンク・アイティメディアと、IT技術者向け情報サイト「@IT」を運営するアットマーク・アイティは11月25日、2005年3月1日付けで合併すると発表した。メディア規模を拡大して投資を効率化し、経営の安定性を高める。

yu_itm_01.jpg ソフトバンク・アイティメディアの大槻社長(右)とアットマーク・アイティの藤村厚夫代表取締役

 存続会社はソフトバンク・アイティメディア。新会社の名称は「アイティメディア株式会社」となり、代表取締役社長にソフトバンク・アイティメディアの大槻利樹代表取締役社長が、代表取締役会長にアットマーク・アイティの藤村厚夫代表取締役がそれぞれ就任する。

 ITmediaは、エンタープライズやPC、モバイル、AV機器、ゲームなど幅広い分野のニュースを発信してきた。@ITは技術解説やキャリアアップ情報など、技術者向け専門情報に強い。2社の統合で、経営層から技術者、一般コンシューマーまで広範な読者層をカバーする。サーバなどシステムも統合し、経営を効率化する。

 ITmediaのユニークユーザー(UU)は月間450万人以上、@ITは同約200万人以上。両社の月間UUを合算すると約700万人だが、「これまで両サイトをバラバラに見ていたユーザーが包括的に情報収集できるようになる。新会社のUUは400−500万程度だろう」(藤村代表取締役)。月間ページビュー(PV)は、ITmediaが約8200万、@ITが約1600万で、合併後は月間約1億PV程度になる見込みだ。

 「ITmedia」「@IT」のブランドは合併後も継続・強化するが、新ブランドも構築する。(1)ITmediaの「エンタープライズ」や、@ITの「IT情報マネジメント」などの資源を活用したエンタープライズビジネス系ブランド、(2)技術者に特化したコミュニティ構築や情報提供を行う「@IT」、(3)PCやAV、モバイルなどコンシューマー向けブランド――と、3ブランドを核に展開。このほかにも新ブランドを順次開発する計画だ。新ブランドのスタート時期は未定とした。

 合併後の資本金は3億6000万円。筆頭株主はソフトバンク・パブリッシング(持ち株比率55.7%)。続いてサンブリッジ(同12.5%)、ソフトバンク・メディアアンドマーケティング(同11.8%)、ヤフー(同5.1%)となる。

 社員数は、ITmediaの57人と@ITの35人を足した92人。2005年度に売上高18億円、経常利益2億円、2008年度に売上高30億円、経常利益5億円を見込み、早期の株式公開を目指す。

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広告以外の収入源を育てる

 大槻社長は「2社の強みを生かして事業を拡大したい」と話す。現在は2社とも、収益の多くを広告から得ているが、今後はコンテンツ販売やセミナー、人材ビジネス、ECなど周辺分野にも注力し、広告以外の収益の柱を育てる計画だ。

yu_itm_03.jpg 新ブランドの経営計画。広告事業をベースにしながら、経営層や技術者層向けには人材やセミナー事業を、コンシューマー向けにはEC事業を強化する

 「合併後もソフトバンクグループが過半数の株式を保有し、法的にはソフトバンク・パブリッシングの子会社という位置づけだが、メディアとしての中立性はこれまで以上に増すだろう」と大槻社長は話す。外部の資本を入れてソフトバンクグループの出資比率を下げ、社名から「ソフトバンク」の文字を外した。合併もITmediaと@ITの2社間で決め、株主からも了承を得ている。「ソフトバンクグループであることは、中立的な運営への障害にはならない」(大槻社長)。

 藤村代表取締役は「元々、@ITを固定的に続けるつもりはなかった」と話す。オンラインメディアとして成長を続けるため、提携・合併先を探していたという。ITmediaを選んだのは「オンライン専業でやっていこうという気合いが感じられた」(藤村代表取締役)ため。合併の提案は、約1年前に藤村代表取締役から持ちかけ、今年8月中旬から急速に具体化したという。

 「(インターネットが普及し、ネットから簡単に情報が得られるようになったため)プロフェッショナルメディアとして、出版業が生きていけるかどうかの瀬戸際に来ている」と藤村代表取締役は話し、新会社でネットメディアの可能性を模索したい考えを示した。

 「PCや携帯電話の分野では、プロとアマの境目がなくなってきている」(藤村代表取締役)。情報をいち早くキャッチし、深い知識を持つコンシューマー「プロシューマー」に向け、プロの編集者がどのような情報を提供できるか考えていきたいとした。

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