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» 2004年12月10日 15時47分 UPDATE

ソーシャルネットのビジネスモデルが見えてきた?――「mixi」の今

儲からなくても続けている「mixi」だが、9月からはバナー広告を導入。有料の新サービス導入も検討するなど、ビジネスとしての展開が見えてきた。

[岡田有花,ITmedia]

 ソーシャルネットワークサービス(SNS)はビジネスになる――ここ最近の「mixi」の動きは、そう感じさせる。

 mixiは、イー・マーキュリーが運営する国内最大のSNS。参加にはユーザーの招待が必要だ。日記を書いたり、他ユーザーとメッセージのやりとりをしたり、興味のある分野のコミュニティに参加するなどし、既存の友人と交流したり、人脈を広げたりできる。

 今年3月、数人の関係者でスタートして以来、ユーザーは指数関数的に増え続け、11月25日に20万を突破した。

 当初の収入源は、アマゾンとイープラスを利用したアフィリエイトだけ。何万人ものユーザーが毎日訪れるサイトを支えるには全然足りないと、7月のインタビューで同社の笠原健治社長は話していた。

 収益面で大きな動きがあったのは9月。アフィリエイト収入に加え、広告収入が入るようになった。サイト上にバナー広告用スペースを設置。同社の求人サービス「Find Job !」や、携帯音楽プレーヤー、ECサイト、旅行サイトなどの広告が表示されるほか、メッセージ送信後画面にも広告を表示。携帯電話から閲覧可能な「mixiモバイル」の画面上にもバナー広告を入れた。

yu_mixi_01.jpg バナー広告は、ページ右肩に入る

 広告主からの評判はいい。mixiのバナー経由でFind Job !のユーザー登録をした人数は、大手ポータルに広告を打ったときとほぼ同数。別のある広告は、ユニークユーザーの10%もがクリックしたという。

 広告媒体としてのmixiの強みは、限定されたカテゴリーのユーザーが頻繁に閲覧していること。ユーザーの年齢層は20−34歳が8割近くで、男女比は6対4。この層が特に関心ある分野に絞って広告を打てば、幅広いユーザーが閲覧する大手ポータルサイトよりも高い効果が期待できる。

 12月中旬からは、コミュニティを使ったタイアップ広告もスタートする。コミュニティメンバー同士で情報を交換しあったり、広告主からプレゼントを提供したりして、ファンと広告主が交流できる場を提供する。

 笠原社長は来年にも、ユーザーの興味に合った広告を表示できるターゲティング広告を導入したい考えだ。自己紹介の内容やコミュニティの分野、日記の内容などにマッチした広告を掲載すれば、さらに高い広告効果が見込めそうだ。

 基本機能は無料で提供する方針は今後も変えないが、一部ユーザーからの要望が高い、サーバ負荷の重い機能に関しては、有料で提供することも考えている。加えて、mixi内限定のECサイトを作るなど、収益アップに向けたさまざまなアイデアを検討中だ。

「収益は後からついてくる」

 ユーザーの増加ペースはまさに指数関数的。11月1日には15万7000人だったのが、同25日には20万人を超えた。現在も1日2000人ぺースで増え続けている。アクティブなユーザーが多いのもmixiの特徴。1人1日あたりのページビュー(PV)は、約50。1日あたりの総PVは1000万を超えた。

 ユーザー増に合わせてサーバを増強するとともに、サポート体制も強化した。mixi担当の社員数は、当初の2人から6人に増えた。

 スタート時、「mixiが1年たってうまくいかなかったら、身銭を切って損失を補てんする」と話していた笠原社長だが、投資額は、1人ではとても払いきれないほどにふくれあがった。広告などから収入が増えたとはいえ、単月ベースの赤字からは脱していない。

 しかし、笠原社長に焦りは見えない。「もともと、2−3年は寝かせるつもりだった」(笠原社長)。サービス継続のため、安定した収益モデルの確立を急ぐが、大幅な黒字を狙うにはまだ早い。上がった収益はサービス強化に投資し、まずは居心地のいい空間作りを目指す。「ユーザーニーズに応えたいいサービスを作れば、収益は後からついてくる」(笠原社長)――「Find Job!」の成功から得た経験則を、mixiにもあてはめる。

 「SNSを、メーラーやメッセンジャーと同じレイヤーに高めたい」(笠原社長)。たくさんのユーザーが使ってくれるコミュニケーションツールの一つにするために、まずは機能や操作性をアップさせ、サービスとしての完成度を高めたい考えだ。

yu_mixi_02.jpg 笠原社長

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