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DNAで人類の足取り探れ――世界数十万人からサンプル公募

» 2005年04月13日 17時28分 公開
[ITmedia]

 米IBMと米National Geographicは4月13日、人類がどのように移動して地球上に広がったかを調査するプロジェクト「THE GENOGRAPHIC PROJECT」を始める。世界各地に住む数十万人にDNAサンプルを提供してもらい、5年をかけて解析し、人類の足取りを探る。

 世界各地の先住民族のDNA調査が研究の中核。先住民族のDNAには、数百世代前からあまり変化していない遺伝子マーカーが含まれるため、人類のルーツを探る大きなヒントになる。リーダーはNational Geographic所属の研究者で遺伝学者のスペンサー・ウエルズ博士。

一般参加者用キット

 DNAサンプルは、日本を含む世界中の一般の人からも広く募集する。National GeographicのWebサイトから99.5ドル(送料・手数料別)の参加キットを購入し、ほおの内側から採取したサンプルを送付すれば、分析結果がデータベースに登録され、自分の祖先の移動の軌跡をWebサイトからたどれる。キットの収益は、先住民族の教育や文化保護に生かす。

 各サンプルは世界10カ所のプロジェクトセンターに集めて検証し、研究結果はWebサイトなどで順次発表する。

 IBMは、同社研究所のスタッフを提供するほか、遺伝情報を管理するインフラなどを提供する。資金協力者として、米Gateway創業者のテッド・ウェイト氏が設立したWaitt Family財団が参加する。

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