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エプソン、インクカートリッジ製造業者を提訴

» 2005年04月28日 19時21分 公開
[IDG Japan]
IDG

 もうけになるプリンタカートリッジ事業を守るため、セイコーエプソンは同社プリンタ向けに交換用カートリッジを製造しているメーカー2社を相手取り、特許侵害訴訟を起こした。

 同社は、仏Arcorと香港のMulti-Union Tradingが製造している特定のカートリッジが同社のカートリッジ関連の特許を侵害していると申し立てている。同社は米国の関連会社2社とともにオレゴン地区の米連邦地裁に訴状を提出した。

 Arcorに対する訴状は4月25日に提出された。その中には、Arcorと米独子会社が製造する30種以上のカートリッジがエプソンの特許を侵害していると記されている。

 Multi-Unionに対する訴状はそれよりも早く、21日に提出された。訴状の内容は、PrintRiteのブランド名でカートリッジを販売するMulti-Unionに対して先に起こした訴訟を拡大したものとなっている。先の訴訟はMulti-Unionの23種のカートリッジを対象としていたが、今回の訴訟はさらに49種のカートリッジを加えている。

 これら訴状の中では、エプソンの特許が合計で16件挙げられている。訴状の写しによると、これら特許は主にドットマトリックスプリンタに関連したもので、一部にはインクジェットプリンタをカバーするものもあるという。

 いずれの訴訟でも、エプソンは被告の継続的な侵害をやめさせるよう求めている。また、同社が被ったと主張する損害額の3倍に相当する金額と、裁判費用の支払いも要求している。

 今回の訴訟の直前には、連邦判事が最初の訴訟で、Multi-Unionの23種のカートリッジがエプソンの特許を侵害したとの略式判決を下したとエプソンは話している。

 エプソンのようなプリンタメーカーは通常、利益のほとんどを自社プリンタ用カートリッジの販売から得ている。ArcorやNantesなどの企業は、たいてい(純正品より)安くて知名度の低い交換用カートリッジを販売している。

 今回の訴訟はサードパーティのカートリッジ市場をつぶすことが目的ではなく、エプソンの特許を侵害している企業だけを標的にしていると、同社の広報担当アラステア・ボーン氏は語る。「多数の企業が(エプソン製プリンタ向けの)インクカートリッジを作っている。それが公正な競争であれば、われわれには何の文句もない」

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