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» 2005年07月08日 03時39分 UPDATE

超広帯域を武器に次世代XDRメモリで市場拡大を狙うRambus

Rambusは都内で開催した開発者向けイベント“Rambus Developer Forum Japan 2005”で、次世代超高速メモリ規格「XDR2」について説明した。

[笠原一輝,ITmedia]

 DRAM技術の研究、開発を推進するRambusは、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルにおいて、7月7日と8日の両日“Rambus Developer Forum Japan 2005”を開催し、同社の技術の詳細や技術ロードマップなどに関して説明を行っている。初日となる7日は、米Rambusの担当者などが講演に登場し、同社のロードマップや、最新技術の詳細などを解説した。

 その中で、米Rambusプラットフォームソリューショングループ プロダクトマーケティングディレクターのリッチ・ワームキー氏は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)が「プレイステーション 3」に採用するCell用のDRAMとして採用されている「XDR」の後継として「XDR2」を投入し、2007年に量産を開始すると明らかにした。

 XDR2ではDRAM内部のアクセス効率を改善するマイクロスレッディング技術を導入するなどの新しい技術を採用することで、現行XDRの3.2GHzの倍以上の8GHzという動作周波数を実現するという。

Cellのメモリとして採用されているXDR DRAM

 PCユーザーにとってRambusと言えば、「Direct RDRAM」を思い浮かべるだろう。1999年にインテルの「Intel 820」チップセット、ついで2000年にリリースされた「Intel 850」でサポートされたDirect RDRAMだが、製造するDRAMベンダが増えなかったこともあり、PCでは結局普及せずに終わってしまった。Direct RDRAMが採用されているPCを持っているユーザーは少ないのではなかろうか。

 しかし、おそらく知らず知らずだが、ほとんどの家庭には何らかの形でDirect RDRAMを搭載した機器が1つか、2つはあるだろう。というのも、Direct RDRAMは少ないピン数で高速に動作させることができるという特徴を持っており、少ないチップ数で広帯域を実現できるため、コストが重視されるデジタル家電に多数採用されているからだ。

 その代表格と言えるのは、SCEIのプレイステーション 2だろう。PS2と言えばすでにユーザーの興味は次世代機に移っている。5月に米国で開催された“E3”では、その次世代機となるPS3が来年リリースされることが明らかにされた

 そのPS3にも、Rambusの技術は利用されている。PS3のメインプロセッサであるCellのメインメモリとして採用されているのが、RDRAMの後継となるXDR DRAMだ。XDR DRAMの特徴は、Direct RDRAMでは1.6GHz程度の動作周波数であったのに対して、XDR DRAMでは「FlexPhase」と呼ばれる信号線のデザインを容易にする技術などを活用することで3.2GHzでの動作が可能になっており、メモリの帯域幅が広くなっている。

 PS3に採用されるCellでは、このXDR DRAMを利用するためのI/Oバスである「XIO」が実装されており、XDR DRAMと組み合わせることで25.6Gバイト/秒という広帯域幅を実現している。

CellにはXDR DRAMのメモリコントローラ実装されている PS3のメインプロセッサであるCellのダイには、XIOと呼ばれるXDR DRAMを利用するためのメモリコントローラが実装されている
XDR DRAMのテスト基板 Rambus Developer Forumに展示されたXDR DRAMのテスト基板

8GHzという高速動作を可能にするXDR2 DRAM

 今回Rambusが発表したXDR2は、そうしたXDR DRAMの性能をさらに引き上げるものだ。XDR2では、適応型タイミングなどの機能を追加することなどにより、メモリインタフェースの周波数を8GHzまで引き上げる。

 米Rambusのワームキー氏によれば「XDR2では8GHzというこれまでのDRAMでは考えられなかったような高速で動作させることが可能になる。現在グラフィックスチップ向けなどに利用されている「GDDR3」などに比べると5倍以上にもなる」と述べ、XDR2が現在主流として利用されているDDR系のメモリと比べて大幅な性能向上を実現するとアピールした。

 XDR2では、4月に米Rambusが発表したマイクロスレッディングという技術もサポートする。マイクロスレッディングとは、DRAMの内部でのデータ転送の効率を高める技術で、DRAM内部の転送効率を従来の最大4倍に高めることができる。これにより、インタフェース部だけでなく、DRAM内部の効率も高めることで、全体的な性能向上を実現していく。

米Rambusのリッチ・ワームキー氏 米Rambusプラットフォームソリューショングループ プロダクトマーケティングディレクターのリッチ・ワームキー氏
XDR2はGDDR3の5倍高速 XDR2は、現在GPUのビデオメモリなどに利用されているGDDR3に比べて5倍高速になる
XDR2の動作周波数の予測 Rambusの予測では、GDDRの動作周波数が8GHzを超えるのは2015年と予測されているが、XDR2では2007年で、2015年にはより高速な周波数を実現できる
XDR2ではマイクロスレッディングを実装 XDR2ではマイクロスレッディングを実装し、DRAM内部の利用効率を高める

XDR2はデジタル家電だけでなくGPUのメモリも視野に

 Rambusによれば、XDR2 DRAMの量産出荷は2007年を予定しているという。Rambusは自社ではDRAMやコントローラを製造していないため、今後パートナーにライセンスを付与し、パートナー企業が製品を製造していくことになる。現時点では、XDR2のパートナー企業は明らかにされていないが、XDR2がXDR DRAMの延長線上にある製品であることを考えれば、現在のXDR DRAMのライセンシー(東芝、エルピーダメモリや韓Samsung)などが候補となるだろう。

 XDR2でも、XDR DRAMが利用されているPS3のようなゲームコンソールや、HDTVやHDDレコーダーなどのデジタル家電が主な用途として考えられるが、XDR2の比較例としてGDDR3が持ち出されたことからもわかるように、GDDR3の主な用途であるGPUのビデオメモリも、XDR2のターゲットの1つとなる。GPUのビデオメモリへの要求は年々高まるばかりで、もはやDDR系のDRAMでは限界に近づいているとするGPUベンダーの関係者も少なくない。

 実際、あるGPUベンダーがXDR DRAMをGPUのビデオメモリとして採用を真剣に検討していたと証言する業界関係者にあり、XDR2でそれが実現してもなんら不思議ではないだろう。

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