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» 2005年07月28日 13時07分 UPDATE

MS、日本公正取引委員会との長期戦を覚悟

マイクロソフト株式会社は、公取委との法廷闘争を最高裁まで戦う覚悟だという。同社幹部は決着がつくのは2007年初頭になると見ている。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftの日本法人であるマイクロソフト株式会社は、独占禁止法違反をめぐる日本公正取引委員会との訴訟について、予想されているとおり、日本の大手電機メーカー3社が同社に不利な証言を行うようであれば、長期戦に陥るものと覚悟している。日本法人の法務責任者が7月27日、そう語った。

 マイクロソフト株式会社の法務・政策企画統括本部長、平野高志氏によれば、この訴訟は今現在は動きが鈍いものの、2006年早くには、Microsoftが日本の独占禁止法に違反したことを証明すべく、日本の競争担当当局である公取委がソニー、三菱電機、松下電器産業を召喚すると見られており、そうなれば、論争はヒートアップするはずだという。

 Microsoftと公取委との法廷闘争は昨年10月、同社が日本のPCベンダー各社と締結したWindowsライセンス契約に含まれる一部の条項が違法であるとして、公取委が同社を提訴したことにより始まった。公取委の主張は、ライセンシーに対して、特許侵害を理由にMicrosoftを訴える権利を制限するという条項には問題があるというもの。

 Microsoftはこの提訴を受けて、何も違法な点はないと反論した。マイクロソフト株式会社の広報担当者によれば、公取委がMicrosoftのライセンス契約をめぐり立ち入り調査を開始した日の5日前に当たる昨年2月21日に、MicrosoftはPCベンダー各社に対し、今後はライセンス契約からこれらの条項を削除する意向を伝えたという。

 この広報担当者によれば、実際、Microsoftは昨年8月1日以降に交わしたライセンス契約については、こうした条項を取り除き、この方針を世界中に適用している。

 だが日本では、この条項の削除だけでは、Microsoftの立場は好転しなかった。両陣営が今後、さまざまな話し合いを通じて年内に見解の相違を解決できないようであれば、日本での対Microsoft訴訟は長引くことになるだろう、と平野氏。

 同氏によれば、Microsoftは公取委の論拠の理解に苦労しており、和解は見込めそうにない。

 Microsoftは昨年10月以来、公取委による申し立ての内容を明確にするよう求めて、幾度も公取委と会合を重ね、現在、反論書の準備は最終段階にある。この反論書は8月5日前後に提出される予定。申し立ては200ページに及ぶ見込みで、そのうち半分は同社の弁護のための証拠となり、残りの半分は公取委の申し立てに対する法的な反論となる。

 「私たちは、公取委が違法だと指摘している、実に多くの曖昧なポイントを明確にしようと、1年も前から努めてきた。私たちには彼らの主張が理解できないため、これまでに彼らに100以上も質問をしてきた。だが、その作業もほぼ終了した」と平野氏。

 この訴訟はMicrosoftにとって重要な意味を持つ。なぜなら、これは同社が日本で10年前から採用しているライセンス方針に関係する問題だからだ。Microsoftは、ライセンシー企業とは十分に相談しながら手続きを進めるようにしてきたし、ベンダーやOEMも契約を交わす際に警戒態勢で臨んでいたわけではないと主張している。平野氏によれば、問題となっている特許の詳細も不明確なままという。

 「私たちは、当社がOEMに特許非係争条項を強要しているという主張は断じて受け入れられない。私たちはOEMと公正に交渉し、多くのケースでは修正も行っている。ソニー、三菱、松下が、Windowsの一部が彼らの特許を侵害していると主張しているため、私たちは公取委に対して、それがどの特許のことを指しているのかを尋ねたが、公取委は教えてくれない」と同氏。

 Microsoftはこの訴訟を迅速に和解に持ち込みたい考えだが、平野氏によれば、おそらく決定が下るのは2007年初頭になる見通し。

 また同氏によれば、Microsoftが敗訴した場合、同社は日本の最高裁判所まで徹底的に争う構えという。そうなれば、争いは2010年いっぱいまでもつれ込むことになりかねない。

 「非常に長い年月がかかることになるだろう」と平野氏は語っている。

 公取委の特別捜査第一課の責任者、山口正行氏によれば、公取委はMicrosoftの反論書に対する返答を8月29日に発表する予定。同日、次の審問の日程が決定される。

 「この訴訟は、できる限り賢明かつ効率的に追求したい」と山口氏。

 また同氏は、公取委はこの論争の今後の展開について憶測で語るつもりはない、と語っている。

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