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米国でいよいよ「500ドルノート」の波

» 2005年08月05日 16時15分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Current Analysisが今週発表した調査報告によれば、PCベンダー各社は8月から価格500ドルを切るノートPCを積極的に売り出しており、このため米国小売店ではセール品の安いノートPCを至る所で目にすることができるという。

 個々のベンダーは今年既にローエンドノートPCの価格を500ドル未満に引き下げているが、主要小売店4社とPCマーケットリーダーのDellは先週末から大々的な500ドル以下のノートPCの店頭販売を開始したと、Current Analysisの主席アナリスト、サム・バウナニ氏は話している。

 PC価格は全体的に2年程前から下落傾向にあるが、デスクトップPCの価格はほぼ落ち着いたと、バウナニ氏。使い古したデスクトップPCのリプレースとしてノートPCを求める需要が続く中、Best BuyとCompUSAはノートPCの販売およびプロモーションを積極的に展開しているという。

 DRAMチップと液晶ディスプレイなどの部品価格の下落を受け、ほかのベンダーもこれに追随している。

 「ノートPCは今、デスクトップPCが2〜3年前に到達した成熟期に達しつつある」とバウナニ氏。ベンダーおよび小売店は、PC市場が最も活発になる今年後半に向けて競って価格を下げてくるだろうと同氏は予測している。

 例えば、東芝の499ドルバージョンのノートPC「Satellite A85-S1072」(15インチディスプレイ、IntelのCeleron M プロセッサ 360、256MバイトDRAM、40GバイトHDD、DVD-ROM/CD-RWドライブ装備)は、Best Buyで提供されている。CompUSAでは、AcerのノートPC「AS3502WLCi」(15インチワイドディスプレイ、512MバイトDRAM、40GバイトHDD、DVD-ROM/CD-RWドライブ装備)が499ドル。価格499ドルのDellの「Inspiron 1200」は、14インチディスプレイ、Celeron M プロセッサ 350、26MバイトDRAM、30GバイトHDD、DVD-ROM/CD-RWドライブを装備する。

 ただし、これは幾らかのリベート適用後の価格だ。東芝のノートPCの場合は、顧客が用紙に記入してメーカー側から200ドルのリベートを受け、Best Buyの場合は150ドルのリベートを郵送で行う。CompUSAではリベート用紙に必要事項を記入して郵送すると200ドルが還元され、Dellはリベート用紙の郵送で150ドルがバックされる。

 リベートは、一見ベンダーと小売店が低価格をオファーしているように見せながら、実際にはリベート用紙に記入して郵送する手間をかける顧客は約半分しかいないという実情を利用している、とバウナニ氏。同氏によれば、購入時に自動的に割り引きする簡単なリベート方式を採用するベンダーや小売店もあるが、当然のことながら、こうしたやり方はよりコストが掛かるという。

 こうした最近の積極的なプロモーションは、米国の新学期となる9月に向けてのもの。各社はまた、これらを通じて1年のうちで最も繁忙なクリスマスシーズン(第4四半期)に向けてプロモーション戦略をテストすることもできる。

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