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» 2005年10月18日 13時27分 UPDATE

FoxNews.comのMicrosoft寄りコラムに非難の声

マサチューセッツ州のMicrosoft Officeからの乗り換えを批判するコラムを掲載したFoxNews.comに対し、コラムの筆者がMicrosoft関係者であるとして非難が寄せられている。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 米FoxNews.comが9月30日付で掲載した、「公的文書でオープンな文書フォーマットをサポートする」というマサチューセッツ州の決定を批判する内容のコラムをめぐり、読者から非難の声が寄せられている。このマサチューセッツ州の決定は、今後、州政府機関におけるMicrosoft Officeの使用を制限または排除することになるであろう動きだ。

 「マサチューセッツ州はOpenDocumentの計画を中止すべきだ」と題されたこのコラムは、Microsoftが共同創設したAmericans for Technology Leadershipと呼ばれる団体の代表ジェームズ・プレンダーガスト氏が書いたもの。

 12日には、読者から寄せられた幾つかの書状がFoxNews.comに掲載された。これらの書状は、自社の関連団体のプレンダーガスト氏に「公平な観測筋」として意見を述べさせることで、Microsoftは自社の利益を増進しようとしているとして、Microsoftを非難している。こうした行為は「アストロターフィング」と呼ばれ、「何らかの出来事や意見に対する自発的で草の根的な反応であるかのごとく装い、その実、計画的なPRキャンペーン」として認識されている。

 マサチューセッツ州は先月、同州の行政機関の公的文書をOpenDocument(Open Document Format for Office Applications)で標準化する計画を最終的に承認した。OpenDocumentは、標準化団体のOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)が開発したXMLベースのファイルフォーマットだ。

 FoxNews.comによれば、読者のジョー・ムーア氏は次のように書いてきている。「ここで問題なのは、Microsoftが商業的な理由から、このフォーマットではデータを提供しないという戦略的態度を明確に打ち出したこと、そして現在、自社製品の支配的立場を保つために、ジェームズ・プレンダーガスト氏を介してFoxNews.comの読者の心に疑念を抱かせようとしていることだ」

 またセントルイス在住のブライアン・トーマス氏は次のように書いている。「プレンダーガスト氏は、マサチューセッツ州政府が公的記録にOpenDocumentを選んだという事実をぶち壊そうとしている。同氏はアナリストや記者コミュニティーのなかから、Microsoftが資金援助した組織や、よく知られたMicrosoft擁護派の人物ばかりを引き合いに出し、『この政策は市場ベースの競争に対する攻撃であり、結果的には革新を阻むことになるだろう』という、根拠のない、人々を惑わせるような、まったくの誤った発言を行っている」

 またマイケル・マツザキ氏はFoxNews.comに対し、プレンダーガスト氏の記事はFUD(恐怖、不安、疑念)を広めることで一般ユーザーを脅かし、オープンな文書標準の採用をやめさせることを意図していると書いている。

 「プレンダーガスト氏は無知なことに、マサチューセッツ州の新政策は住民に新たなコスト負担をもたらし、州の行政機関が市民や企業、組織と連絡する手段を混乱させることになると言っている。そんなことは、まったくの事実無根だ」とマツザキ氏。

 業界の観測筋はかねてから、Microsoftは世論を左右するためにアストロターフィングの手法を用いていると指摘してきた。実際、1998年には、米司法省との独禁法訴訟に先立つ公聴会に抗議する一般市民からの書面を装った一連の手紙が、実はMicrosoftのPRキャンペーンによるものだったことが、Los Angeles Times紙にリークされた文書によって明らかになっている。

 12日には、FoxNews.comは、Microsoftがプレンダーガスト氏が代表を務める団体の創設メンバーであることを、同氏のオリジナルのコラムで明らかにしなかった点を謝罪するコメントを掲載している。このコメントには、「プレンダーガスト氏のMicrosoftとの関係を記事に明記しておくべきだった」と記されている。

 MicrosoftのPR代理店Waggener Edstromの広報担当者は、プレンダーガスト氏のコラムに関するコメントを断っている。ただし、この広報担当者は電子メールで、マサチューセッツ州の決定に対するMicrosoftの立場は「優先権を設けるような調達は革新を制限し、顧客の選択肢をせばめ、結果的にはコスト増大をもたらすことになる」というものだと語っている。

 プレンダーガスト氏にも13日にコメントを求めたが、返答は得られなかった。

 マサチューセッツ州は2007年1月1日を目処に、自州の行政機関がOpenDocumentをサポートしないプロダクティビティパッケージから徐々に移行することを目指している。

 Microsoft Officeのほか、Lotus NotesやWordPerfectなど、マサチューセッツ州の行政機関が現在使用しているそのほかのプロダクティビティパッケージはそれぞれプロプライエタリな文書フォーマットを採用している。OpenDocumentをサポートしているパッケージには、OpenOffice、Sun MicrosystemsのStarOffice、KOffice、IBM Workplaceなどがある。

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