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欧州FSFとSamba、欧州独禁法訴訟への参加求める

» 2005年11月25日 08時31分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Free Software Foundation Europe(FSFE)は、欧州連合で競争行為を管轄する欧州委員会が昨年Microsoftに下した裁定に対する上訴に関し、その一部に参加できるよう求めている。FSFEの弁護士が11月24日、明らかにした。

 FSFEはオープンソースソフトウェアのSamba開発チームと共同で欧州司法裁判所に対し、Microsoftが欧州委員会の裁定について起こしている2度目の上訴への参加を正式に申し入れた。FSFEのメンバーで弁護士のカルロス・ピアナ氏が語った。

 2度目の上訴申し立ては8月に行われた。欧州委員会がMicrosoftに対してワークグループサーバで使われている特定の通信プロトコルを他社にライセンスすることを命じたという裁定に対する上訴である。Microsoftはこの裁定によりコードが配布されてしまえば、サードパーティーがライセンスなしで自由にアクセス可能となってしまい、企業秘密が放棄されてしまうと主張している。

 FSFEとSambaは、Microsoftのサーバソフトウェアと相互運用できる製品を開発できなければMicrosoft製品との競合は不可能であり、欧州委員会はこの競争を確保することを望んでいると反論している。

 参加申し入れが受理されれば、両者は法廷への書面提出、Microsoftおよび欧州委員会の提出書類を閲覧すること(法廷で機密扱いとなったものを除く)、口頭による法廷審問に参加することが可能になる。

 2004年5月に欧州委員会が下した独占禁止裁定に対するMicrosoftの第1回上訴の際、両者とも参加している。このとき、Microsoftに対してMedia Playerを排除した欧州版Windowsを提供すること、ワークグループサーバ用ソフトウェアがほかのベンダー製品と適切に動作すること、そして4億9700万ユーロ(6億2400万ドル)の罰金を支払うという裁定が下された。

 欧州裁判所はこの裁判でほかの参加者を認めるかどうかについてまだ決定していない。9月に米国のシンクタンク3社が上訴審への参加申請を出したが、そのシンクタンクのうち1社の取締役会にはMicrosoft社員が加わっている。

 上訴審は2006年上半期中に結審する見込み。

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