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» 2005年09月08日 12時22分 UPDATE

MSの新たな訴訟はソースコード問題に焦点

Microsoftが新たに訴訟を起こしたのは、オープンソース製品向けにGPLの下で通信プロトコルをライセンスするよう求める欧州委員会の裁定に焦点を当てるためだ。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 通信プロトコルのライセンス条件に関して、Microsoftは9月7日、欧州委員会の独禁法裁定に関する新たな申し立てを行った(9月7日の記事参照)

 「Microsoftは欧州第一審裁判所に、通信プロトコルのソースコードの広範なライセンスに関する裁定を無効とする判決を求めた」とMicrosoftの広報担当トム・ブルックス氏。

 「今回の申し立ては、6月に欧州委員会と交わした合意の結果だ。この問題を裁判所の指導に委ね、プロセスのさらなる遅れを避けるためだ」(同氏)

 新たな不服申し立てを起こすという決定は、欧州委員会が6月1日付でMicrosoftに送った書簡を受けてのことだ。同委員会はこの書簡の中で、Microsoftが自社のワークグループサーバソフトの通信プロトコル向けに用意したライセンス条件を受け入れないと述べていた。

 Microsoftは自社のソースコードをGPLの下でライセンスできるようにすることを拒否してきた。GPLはユーザーによるソフトの自由な改変と再配布の権利を認めており、多くのオープンソースソフトはGPLの下で配布されている。

 EU(欧州連合)の執行・規制機関である欧州委員会は、この問題について欧州第一審裁判所の下で和解することに同意した。現在、同裁判所はMicrosoftの独禁法裁定に対して起こした控訴審を行っている。

 「われわれがこのような措置に出たのは、世界中で当社の知的財産を保護することの広範な影響を考え、裁判所が今、この問題の再検討を始められるようにするためだ」とブルックス氏。

 ソースコードの問題は、欧州委員会が2004年3月に下した最初の裁定でははっきりとは記されておらず、Microsoftが昨年起こした控訴申し立てでも明確にされてはいなかった。Microsoftは裁判所がこの問題に焦点を当てることを望んでいる。

 欧州委員会は6月に、Microsoftがプロトコルのライセンス条件に多数の変更を加えることに同意したと発表した(6月7日の記事参照)。それでも同社は、オープンソース製品での利用向けにプロトコルをライセンスすることには同意していなかった。しかし欧州委員会は、プロトコル開示を求める同委員会の裁定が裁判所に支持されれば、Microsoftはライセンスするコードに「革新」を含めないという条件で、GPLの条件の下でプロトコルを開示するべきだと主張している。

 その一方で同委員会は引き続き、Microsoftが提供してきたライセンス条件に対するライバルやほかの業界関係者の反応を求めていると同委員会の広報官ジョナサン・トッド氏は9月7日に語った。

 さらに同氏は、Microsoftが欧州委員会の裁定に従っているかどうかを判断する独立した監視者あるいは第三者の評価者が、プロトコルのどの部分が「革新」に当たるのか、Microsoftが課すライセンス料が妥当かどうかも検討することになると語った。

 同氏によると、欧州委員会とMicrosoftは、誰を監視者に任命するかに関してまだ合意に至っていないという。

 Microsoftの控訴についての審理は、来年以降に始まる見込みだ。その理由の1つは、第一審裁判所の大法廷に訴訟が引き渡されたことにある。これにより担当裁判官を変え、準備を延期することが必要になった。

 審理と最終判決は最大で4年かかると見られている。

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