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欧州連合、Microsoftに罰金警告

» 2005年12月23日 07時57分 公開
[ITmedia]

 欧州委員会は12月22日、Microsoftが2004年3月に欧州連合(EU)から言い渡された是正命令を完全遵守していないと判断、同社に対して1日当たり最大で200万ユーロの罰金を科す可能性があると警告した。

 2004年3月の命令では是正措置の一環として、非MicrosoftのワークグループサーバがWindows PCおよびサーバとの間で完全な互換性を達成できるよう、完全かつ正確なインタフェース文書の公開をMicrosoftに命じていた。

 しかし欧州委員会では、Microsoftがいまだに互換性情報に関する完全かつ正確な仕様を提供していないと判断。遵守状況監視者の報告でもそれが裏付けられたとして、今回の警告に踏み切った。

 今後Microsoftに対して5週間、返答の猶予と口頭弁論の機会を与え、その後、罰金を科すかどうかについて決定を言い渡す方針。

 ニーリー・クロエス競争政策担当委員は「これまでMicrosoftには、命令を遵守するためのあらゆる機会を与えてきた。だが、もはや公式な手続きを通じてMicrosoftの遵守を促す以外、先に進む手段は残されていない」と述べている。

 これに対してMicrosoftは同日、法務担当のブラッド・スミス上級副社長の名で非難の談話を発表。欧州委員会の要請に応じて数日前に改訂版の技術文書を提出したのに、その文書に目を通しもせずに警告を発したのは不当だと訴えている。

 「当社は決定に従うべく全力を尽くしている。これまで合計して100以上の欧州委員会からの要求に応えてきた。しかし当社が変更を加えるたびに、同委員会は目標を動かして新しい変更を要求してくる」とスミス氏。

 Microsoftは今後も同委員会の新しい要求に応えるべく対応を講じていくが、今回の警告についてはEU法の許す限り全力で争うと表明している。

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