ITmedia NEWS > 社会とIT >

“iPod課金”に引き続き反対──JEITA秋草新会長

» 2006年05月26日 17時28分 公開
[ITmedia]

 エレクトロニクスメーカーの業界団体・電子情報技術産業協会(JEITA)の新会長に就任した富士通の秋草直之会長が5月26日会見し、「電子業界の競争力が増せば日本の競争力も増す。政策提言を含め、もっと存在感のある業界にしていきたい」などと話した。

 JEITAは昨年、前任の岡村正・東芝会長在任時にIT減税の延長を要望。秋草会長もこうした動きを引き継ぎ、「今年は減価償却の問題がある。韓国や台湾が国を挙げて償却期間を短くしており、企業のキャッシュフローに効いてきている」と制度見直しを求めていく姿勢を示した。

 また私的録音録画補償金制度の見直し、いわゆる“iPod課金”問題についても引き続き反対していく。秋草会長は「レコードなどレガシーなもので成り立っていたモデルをネットワークで配信されるものに当てはめるのは無理がある」と指摘し、「著作者自らが作品の値段を決められるようにするのが理想的。消費者との間でいかに値段を決めていくか、こうした仕組みを技術の粋を集めて考えていくのもJEITAの役割だ」とした。

 来月開幕するサッカー・ワールドカップの好影響もあり、部品を含めエレクトロニクス業界全体は好調との見通し。原油高・円高は「部品メーカーには原油高がかなり効いている」が、企業ごとに影響の度合いは異なるとの見方だ。

 この日総務省が発表した消費者物価指数(CPI)は6カ月連続でプラスになった。エレクトロニクス業界は慢性的な価格下落に悩まされているが、「毎年大容量化するHDDのように、この業界は技術革新で自ら価格を下げている面がある。価格上昇を望んではいるが、下落は続くだろう」とした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.