コラム
» 2006年06月01日 18時30分 UPDATE

検索ツールに足りないものは何か

そこにあるのが分かっているのに見つからない――優れた検索ツールが登場すれば、そんなストレスから解放されるのだろうか?

[Jim Rapoza,eWEEK]
eWEEK

 多くの人が毎日のように、奇妙で不思議な現象に遭っている。そこにあることは分かっているのに、手の届かないものがある。

 いったい何だろう。異次元の存在なのだろうか? 異界のパワーによって、凡人には見つからないようにしているのだろうか?

 それとも、すぐ目の前にあるのかもしれない。適切な検索ツールさえ持っていれば、簡単に発見できるのかもしれない。

 そうしたツールは既にあり、すぐにでも知識を求める人々の役に立つと言う人もいる。一方、そうしたツールは不十分で、せいぜい半端で分かりにくい答えをもたらすだけだと言う人もいる。

 どちらが正しいのだろうか? 隠された知識を見つけるツールは存在するのだろうか? さあ、「ミスター・スポックを、ではなくて検索ツールを探せ!」

 別にここでミスター・スポックを探す必要はなかった。だが、ここ最近の検索をめぐる関心の高まりや大手ベンダー間の競争を思えば、優れた検索ツールはビッグフットぐらい発見が困難だと考えてもおかしくないだろう。

 Microsoftは先日Live Searchのβ版を公開した。このツールは、Webベースの検索サイトと、複数のPCデスクトップとイントラネットサーバとインターネットの情報を同時に検索できる統合デスクトップツールから成り立っている。メディアは当然このLive Searchを、Microsoftが検索の巨人Googleに対抗するための重要な戦略として取り上げている。

 わたしの最初のリアクションは「いよいよだな、Microsoft」というものだった。MicrosoftがWindowsにこうした強力な統合型サーチ機能を追加するというのは、誰でも考えつく。そしてまさに、この機能はGoogleのツールバーと真っ向から競合するだけでなく、ほかの多くのデスクトップ検索ツールとも競合する。

 しかし正直に言うと、落ち着いてからの見解は「それなり」くらいだった。わたしにとってはデスクトップ検索は主戦場ではないし、技術系のビッグニュースとはどう考えても言えない。わたしは90年代半ばからデスクトップ検索ツールについて取材してきた。それで言えるのは、今時のツールは良くなってはいるが、当時のものとそれほど変わらないということだ。10年前に、自分のデスクトップ、ファイルサーバ、会社のイントラネットと検索サーバ、Web検索サイトのすべてのドキュメントを検索できる非常に優秀なデスクトップツールを使ったことがある。

 しかしわたしの見解では、デスクトップ検索ツールが重要なのは検索のヘビーユーザーだけだ。わたしは現在X1 TechnologiesのX1デスクトップ検索ツールを使っていて、これは大変素晴らしい製品だと思う。だが、常時これを使っているわけではない。

 また、行方不明のファイルやデータを探すにはデスクトップ検索ツールは役に立つが、負荷がかかりすぎるような量のデータをデータを扱うには必ずしも最良の方法ではない。実際、ユーザーや企業のデータ管理の悪化につながりかねない。

 考えてみてほしい。こうしたツールがあれば、ちゃんとしたデータ管理を心掛ける必要がなくなる。「ファイルはどこに保存してもいいよ。そんなのどうでもいいことだ。どうせ検索ツールで探せるんだから」ということになる。だが、最良の検索ツールですら本気で探しているコンテンツを引っ張り出せないことがしばしばある。検索語が一般的な言葉である場合は特にそうだ。

 これを、きちんとタギングされ、分類保存されているドキュメント内の情報を探す場合と比較してみよう。わたしのPCでは、MP3ファイルのコレクションが一番整理されていて、簡単に閲覧できるコンテンツだ。楽曲のリッピングと音楽制作においては、きちんとタギングをすることが奨励されているので、音楽ファイルを探したり、例えばアーティスト順とか音楽ジャンル別にソートするのは非常に簡単だ。ワープロでも同じような勤勉さが求められていれば、コンテンツを探すために優秀な検索ツールは必要なかっただろう。十分に探しやすくなっていただろうから。

 また、コンプライアンスと情報マネジメントの要件にどんな影響があるかも考えてほしい。会計監査に必要な情報を探すのに検索ツールに頼って本当にいいのだろうか? それともそうした情報はすべてきちんとタギングして分類しておきたいだろうか?

 というわけで、デスクトップ検索ツールは良くできてはいるが、本当のビッグニュースにはならない。Microsoftのような企業が、コンテンツ制作時の適切なタギングと分類をもっと簡単にできるようにしてくれたら、それはビッグニュースになっただろう。一連の操作を今のように難しくて分かりにくいものではなく、自然で簡単なものにしてくれていれば。

 だがそうなるまでは、管理の行き届いたコンテンツなどネス湖の怪獣のようなものだ。つまり、みんなこれからも見つからないものを探し続けるのだ。

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