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» 2006年06月12日 12時25分 UPDATE

「ワッチミー!TV」はフジテレビ版「YouTube」か

個人が投稿した動画をフラッシュ形式で公開する「ワッチミー!TV」を、フジテレビが7月中旬に始める。狙いは何か、YouTubeのように著作権侵害コンテンツの温床にならないのか。フジテレビに聞いた。

[岡田有花,ITmedia]

 フジテレビジョンの社内ベンチャー「フジテレビラボLLC」は、動画配信サイト「ワッチミー!TV」の試験運用を7月中旬に始める(関連記事参照)。個人が投稿した動画をフラッシュ形式で無料公開するサイトで、人気の動画投稿サイト「YouTube」に似た仕組みだが、著作権侵害コンテンツの温床にはならないよう厳重なチェックの仕組みを構築。ネットの映像文化を創出できるサイトを目指すという。

画像 「放送と通信は、連携するが融合しない。どちらかが融けてなくなる、ということはなく、両立する」とフジテレビラボLLC社長の時澤正氏

 「みなさん、そればかり聞くんですよ。もう100回ぐらい聞かれたかな」――ワッチミー!TVに著作権侵害コンテンツが上がる心配はないのかと尋ねた記者に、フジテレビラボLLC社長でフジテレビ情報企画部プロデューサーの時澤正氏はこう断言した。「大丈夫です。プロが見るんだから」

 著作権侵害コンテンツの温床として日本のテレビ局を悩ませているYouTubeとは異なり、ワッチミー!TVはユーザーが投稿した動画をすぐにアップするわけではない。投稿されるごとにスタッフがチェックし、問題ないと確認したものだけを公開するという。

 チェックに関わる人数は、映像のプロが約10人、その下で働くスタッフが約20人といい、ローテーションを組んで24時間体制でチェック。「投稿後、リアルタイムに公開はできないが、できるだけすぐに公開したい」としている。

 機械の力も借りてチェックを効率化する。映像をサムネイル化して一覧表示するシステムや、動画内の画像を芸能人の顔データベースと照合し、芸能人が出ていないかチェックするシステムなどを取り入れる。「しかし人の目が一番確実だから、最後は人が見る。ここが最大のコストだが、手は抜かない」

GyaOやTVBankとは“逆”

 もう1つYouTubeと異なるのは、募集する動画が、特定のテーマに沿ったものになる点だ。募集企画ごとにテーマを決め、プロの作品を“お手本”として提示。プロ・アマから幅広く作品を募集する。プロの作品発表の場として活用してもらうとともに、アマチュア作家にスキルを磨いてもらう場にする。

 「アマチュアの動画にも、1000本に1本、1万本に1本は、マスに受けるすばらしい作品があるはず」。マスには受けなくても、ニッチな分野の人には強烈に受ける「ロングテールな」動画も多く集まるだろうと期待する。

 創業以来50年間映像を作り続けてきたキー局として、ネットの映像文化に貢献したい、という思いもあるという。USENの「GyaO」やソフトバンクの「TV Bank」など既存の動画配信サイトとは“逆”のアプローチで、新たな映像文化を創りたいとしている。

 「GyaOもTVBankも、マス向けの映像にマス向けの広告を載せるモデルで、テレビと同じものを作ろうとしている。ワッチミー!TVは、デスクトップの画面で見て面白い映像とは何か、ネットユーザーはどういうものに反応するかという、まだそれほど考え抜かれていないことを考え、示していきたい」

「ロングテール広告」狙う

 収益は、バナー広告や動画広告などから主に得る予定だ。2010年には売り上げ11億円を見込んでいる。「日本のネット広告市場は、米国に比べてまだ小さく、今後伸びる。動画広告も、これからの市場」

 特に、ニッチな分野に特化した「ロングテール」な広告獲得に力を入れる。「旅など、映像を中心にしたコミュニケーションが成立ちやすい分野を中心に、テレビのマス広告ではリーチできない、ターゲット絞った広告を展開したい」

 システムの企業向け外販も行う予定だ。動画を使ったPRサイトを作りたい企業などにシステムを販売。動画を使った企画の立案・制作から運営までまでワンストップで提供できるようにする。

 フジテレビ初の社内ベンチャーとなるLLCで運営することで、意思決定を迅速にし、出資者に利益配分しやすくした。サイトは7月中旬にβ公開し、10月に本サービスを始める計画だ。

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