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もう1人のゲイツ後継者、4年間の移行計画を語る(2/2 ページ)

» 2006年06月19日 11時30分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK
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―― ビルとは性格やフォーカスが異なるあなたとオジー氏率いるMicrosoftの運営は、今後大きく変わるだろうという多くの憶測が流れています。会社の運営方針とソフトウェアの生産過程について、向こう2年間とそれ以降に根本的な変革が見られるでしょうか?

マンディ この会社の文化は非常に成熟し、かつ定着していると思います。創業から31年経ち、ビルの残した足跡は簡単に消えることはないでしょう。多くの人々はこの会社の中で『成長』したのであり、人はある程度自分たちが育ったやり方を通すものです。わたし自身は、新体制で急激な変化があるとは考えていません。

 レイとわたしの性格がビルとは違うのは明らかです。しかし繰り返しになりますが、Microsoftが成長、成熟してきたこの5〜6年間、われわれトップ経営陣は既に多くの交流を持ってきました。製品部門が製品を開発するプロセスほど分化的にはならないと思います。

―― ビルが財団に移行するまでの2年間で、彼の職責を段階的にあなたたちに引き継いでいく計画ですか?

マンディ この引継ぎをのんびり進めるつもりはまったくありません。本日(16日)より、2つの主要部分がレイとわたしに移行され、これから12カ月間ビルと一緒に取り組んでいきます。つまりわれわれは次の1年間を共に歩む計画で、いかなる問題にもこの形で対応し、パートナーシップとして進めます。

 移行期の2年目については、ビルはわれわれが助けを求めたときには応じてくれますが、ある程度手を引く形になります。どちらかと言えば顧問的な役割になり、2008年以降ビルが会長職を通じて担う予定の「特別プロジェクト」の指導が多くなるでしょう。

 つまり、われわれの目標は、この移行をできるだけ早く軌道に乗せ、ビルに効果的かつスムーズだったと確信してもらうことです。先取り方式のようなもので、だからこそビルはわれわれの新しい役職と報告義務体系の変更を発表したのです。われわれは自分たちにスイッチを入れ、ここから先は移行をスムーズに、正しい方向に進めたいと考えています。

―― 最近、Microsoftの幹部たちはオープンソースコミュニティーとの結びつきを強化し、WindowsソフトとGNU General Public License(GPL)ライセンスのソフトの相互運用性の確保にコミットしていると話しています。これはあなたの優先事項ですか、そして今後これを前進させる計画でしょうか?

マンディ わたしは、この相互運用性をめぐるより大きな問題に向けた手法の構築にかかわる主要メンバーの1人であり、もちろんこれは今後ボブ・マグリアとわたしの中心的活動となります。

―― 競争の観点からみて今回の動きが与える影響はありますか? 大勢の人々が、ビル・ゲイツ氏がいないMicrosoftはどうなるのだろうと疑問視することでしょう。株主とウォール街にメッセージを。

マンディ ビルは公式発言の中でも、自身を象徴的な存在と位置づけており、報道されているMicrosoftのイノベーションと業務遂行におけるビルの役割が強調され過ぎるきらいがあると語っています。

 これは2年前から進められ、この先2年かかる真の移行です。今日ではすべてが「ビル」の業績として描かれていますが、多くの素晴らしい才能が今後生まれることでしょう。この会社は、多くの意味で、世界で最も優秀な人々の集まりなのですから。

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