米AMDは8月の次世代Opteronプロセッサ立ち上げに向けて準備を進めているところだ。このプロセッサは、メモリを増やし、仮想化機能を搭載した新たなデュアルコアプロセッサとなる。
同社は8月中にこのプロセッサを立ち上げると、広報担当のフィル・ヒューズ氏は語る。同氏は詳細な日程を明かすことは避けたが、8月1日立ち上げという報道には根拠がないと語った。
新Opteron(社内では「Rev F」と呼ばれる)は、従来より高速なDDR2メモリ、新しいオンボードメモリコントローラ、「Pacifica」と呼ばれていたオンチップ仮想化技術をサポートする。
ライバルのIntelの仮想化技術と同様に、AMDの仮想化技術はVMwareなどのソフトが実行しているタスクの一部を引き受ける。これにより仮想化環境がよりセキュアになるだろう。
また新Opteronは新ソケット「Socket F」を採用する。
AMDは、特にIntelが急速に新たなサーバプロセッサを投入し、両社が次の戦場であるクアッドコア(4コア)プロセッサに向けて準備を進める中で、次期版Opteronが同社の今の勢いを維持してくれると期待している。
両社はいずれもクアッドコアサーバプロセッサを2007年に立ち上げようとしている。
Mercury Researchによると、Opteronはx86プロセッサ販売の22.1%を占めている。過去2〜3年の間、AMDはx64サポート、デュアルコア、省電力など多くの重要な分野でIntelに勝つことでシェアを拡大できた。
その結果、大手4社を含むシステムメーカーからの採用が拡大した。Hewlett-Packard(HP)とSun MicrosystemsはOpteronサーバのラインアップを拡大しており、IBMもAMDベースの製品を幾つか提供している。
またAMDは、5月に大きな追い風を受けた。数年来IntelのみのポートフォリオにこだわってきたDellが、Opteron搭載サーバを年内にリリースすると発表したのだ(5月19日の記事参照)。
Intelはクロックスピードへの依存度を減らし、性能を高めつつ消費電力を減らすために仮想化やマルチコアなどほかの機能により注力することでAMDの成長に対抗してきた。
Intelは、デジタルエンタープライズ部門上級副社長兼ジェネラルマネジャーのパット・ゲルシンガー氏が言うところの「サーバの夏」のただ中にいる。これは、サーバプロセッサのポートフォリオ全体を刷新する取り組みだ。
5月以降、Intelは新しいデュアルコアXeonを2種(鳴り物入りの「Woodcrest 5100」も含まれる)をリリースし、7月18日には「Montecito」のコードネームで呼ばれていた最新のItanium 2 9000シリーズを立ち上げた。
Intelのポール・オッテリーニCEOは19日、4ウェイ以上のサーバ向けの次世代Xeon MP「Tulsa」が第3四半期に登場すると語った。ただし同社は既に同プロセッサの出荷を開始している。
だがIntelにはまだ課題がある。同社は19日に期待はずれの第2四半期決算を発表し、その直後には上級幹部の入れ替えを明らかにした。
その1週間前の13日には管理職1000人の削減を発表している。
こうした変更は、オッテリーニ氏の監督による積極的な社内事業評価の一環だ。
AMDは20日に第2四半期決算を発表した(関連記事参照)。
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