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Intelがクロック至上主義に決別、IDFで次世代アーキテクチャー披露へ

» 2005年08月23日 10時47分 公開
[IDG Japan]
IDG

 チップメーカー最大手のIntelではもはやスピードと発熱はすたれ、消費電力管理と冷却が流行している。

 Intelは今週、上昇の一途だったPentium 4とXeonの消費電力を抑制し、マルチコアのチップを製造する新しいアーキテクチャーの詳細を明らかにする。

 同社では今週のIDF(Intel Developer Forum)で語られるということ以外、次世代アーキテクチャーの仕様を公にはしていない。しかしながら、アナリストやIntelの計画に詳しい情報筋によると、CEOのポール・オッテリーニ氏は、2006年後半にリリースされるプロセッサがノートブック用のPentium Mプロセッサからアイデアを得たアーキテクチャーを使うことを明らかにするという。

 IntelがPentium 4とXeonを登場させたのは2000年だった。それらは最大のパワーを発揮するべくデザインされたアーキテクチャーでつくられていた。本来、クロックスピードはプロセッサの性能向上を示す指標のひとつに過ぎなかったのに、当時はそれが最も分かりやすいプロセッサの性能を示すものと考えられていた。

 クロックスピード、すなわち命令実行のレートを向上するには、消費電力の増加が伴う。2003年に新しい製造技術が登場するまで、電力を制御することは大した問題ではなかった。いつものことだが、Intelは新しい製造技術を導入し、トランジスタのサイズを縮小してきたが、デバイスはあまりに小さくなりすぎ、電力がトランジスタから逃げ、熱としてチップから漏れ出した。

 このレベルの発熱を処理するのは、サーバに搭載された最新のチップ群を冷却しようとするITマネジャーらにとっては難しいことだった。例えば多くの企業では、サーバルームの空調を最大化すべくデザインされた最新式のレイアウトのために当初予想された以上の出費を強いられてきている。

ITマネジャーはセキュリティや管理性に関心

 Pentium Mのアーキテクチャーは、クロックサイクルごとの仕事量をさらに増やすようデザインされている。したがって、Pentium 4やXeonのように、性能を高めるためにクロックスピードを速めたり、消費電力を高めたりする必要はないという。また、このことは、4以上のプロセッサコアを持つチップの開発を容易にし、これらをPCやサーバに使った場合にも高価で巨大な冷却装置を付ける必要はない。

 「今や市場は単にメガヘルツだけではない、ということを認識したのだ」と話すのは、Mercury Researchのプリンシパルアナリスト、ディーン・マッカロン氏。

 今後、Intelは仮想化や管理のためのさまざまな技術を直接プロセッサやチップセットに組み込むことについて、多くの言及をしていくだろう。マッカロン氏によれば、パフォーマンスはITマネジャーが第一に求めることとは限らなくなったという。彼らはまた、セキュリティや管理性という、ほかの多くの問題を抱えているのだ。

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