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NASA、「太陽立体化計画」を始動

» 2006年08月18日 12時41分 公開
[ITmedia]

 米航空宇宙局(NASA)は8月17日、太陽の爆発現象を探るためのSolar Terrestrial Relations Observatory(略称:STEREO)計画を明らかにした。太陽の立体映像を継続的に得ることで、コロナなど太陽の爆発現象と、それが内惑星に与える影響を調べる。

 8月31日にDelta IIで打ち上げ予定の人工惑星2基により、太陽を初めて3次元観測することが可能になる。ミッションは2年間をかけて行う。STEREOの人工惑星には、太陽風粒子観測機など16種類の観測装置が搭載される。

STEREO 8月31日の打ち上げを待つSTEREO(Credit: NASA/George Shelton)

 ほぼ同一の装備を持つ2基の人工惑星は地球をはさんでそれぞれ離れた位置で太陽を周回し、観測活動を行う。異なる周回位置への投入には、月を使ったスウィングバイを2度実施する。

 太陽の動きを観測することにより、人工衛星、有人宇宙船などの安全に欠かせない宇宙天気予報への道が開けるとNASAは説明している。「宇宙天気予報に関しては、1950年代の気象予報士のレベルだ」とNASAのゴダード航空宇宙センターでSTEREOプロジェクトを担当する科学者、マイケル・カイザー氏。当時はハリケーンが発生しても、自分の頭上に雨雲が来るまでは確認できなかったが、新プロジェクトにより、太陽の変化とそれが地球にどのように、いつ影響するのかというモデルを作り上げることが可能になると同氏は説明している。

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