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» 2006年09月14日 15時33分 UPDATE

ミクシィ笠原社長に聞く、上場の狙いとmixiのリスク管理 (1/3)

ミクシィが東証マザーズに上場した。急成長したmixiだが、ユーザーによる情報発信が成長につながる事業。悪質なユーザーへの対応は、乗り越えるべき課題の1つだ。

[岡田有花,ITmedia]

 ミクシィが9月12日、東証マザーズに上場した。初日は買い注文が集まり初値が付かず、公開価格の2倍強となる315万円まで気配を切り上げて取引を終了(関連記事参照)。東証はマザーズ銘柄として初めて、東証アローズの電光掲示板に初値を表示することを決めるなど、大物ネット企業の上場に注目が集まっている。

画像 笠原健治社長は「今年に入ってから多忙で5キロ痩せた」という

 同社の事業は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「mixi」と求人サービスの「Find Job!」の2つ。2005年3月期は、単体売上高約18億9300万円(前年比156.1%増)のうち、mixiが6億4100万円を、Find Job!が12億2200万円を稼ぎ出している。

 Find Job!の売上高はmixiの倍だが、前年比伸び率はFind Job!が78.9%、mixiが4620.6%(46.2倍)とmixiの伸びが凄まじい。2年前のスタート当初は収益を得る仕組みがなく、「もうからないけど続けていた」mixiだが、ユーザーの急増とともに広告やユーザー課金制を導入。誰もが驚くスピードで成長した。

 mixiの登録ユーザー数は570万人。8月の月間ページビューはPCが64億、携帯が13億にのぼり、ネットレイティングスの調査によるとページビューはYahoo!JAPANに次ぐ2位に上昇した。

 mixiの急成長は他ネット事業者を刺激。ユーザーがコンテンツを作る「CGM」(Consumer Generated Media)の成功例として紹介され、ヤフーや楽天などにSNS参入を急がせる要因にもなった。

 多くのユーザーが日常的に利用し、ビジネス面でも成功しているmixiだが、コンテンツのほとんどをユーザーが作っているだけに、間違った情報が広がったり、他人の名誉をき損するような書き込みが問題になることもある。

 ミクシィの笠原健治社長に、上場の狙いや、mixi上でのリスク管理などについて聞いた。

――上場を本格的に意識し始めたのはいつごろですか?

 mixiのサービスインの少し前、2004年2月ごろです。当時から「mixiは非常に大きなサービスになる可能性がある」と考えており、成長する過程で、上場のプロセスを組み込むのはいいのではないかと考えました。

 上場は、mixi事業のための資金調達という意味もありますし、社会インフラ的サービスを提供する事業者として、対消費者、対大手クライアント向けに信用力も高めていくためのプロセスでもあります。

 SNSの可能性は十分に大きいと考えています。SNSはネットで必須のサービスになると思うし、個人が自分の素性を明らかにして情報発信する場は、人類にとってますます重要になっていくと思います。

 ただ「SNS」という言葉は、一般的にはまだ十分認知されていません。どの業界でも、業界の1番手、2番手が上場することで、「こんな業界があったんだ」「ここに市場があったんだ」と認知されるきっかけになります。当社の上場が、SNSの可能性を気付いてもらい、幅広くいろんな人に知ってもらうきっかけになれば、と期待しています。

――公開価格は仮条件の上限(155万円)でしたね。

 注目や期待の高さを感じています。それは大きなプレッシャーであり、責任の重さでもありますが、期待に対して応えていきたいというやりがいも感じます。

――調達資金は約70億円の使い道は?

 目論見書にもある通り、すでに確定している使途は、システムやインフラへ投資と事業所の拡大です。

 システムとインフラに今後3年で10億6082万円投資します。ちなみに前期のシステム投資額は約1億円、今期は約3億円の見込みです。

 2億9701万円は事業所の拡大に使います。今後3年、主にmixiチームで人をどんどん増やしていくので、事務所を拡大する必要があります。年間で倍とまでは行かなくても、3月末で150人ぐらいにはなるのかなと思っています。

 手数料を引いた残り約50億円の使い道は、まだ確定していませんが、設備や人材への投資は可能性の1つです。500万ユーザーが使っているmixiに新機能を追加するには、サーバが1000台、2000台必要ということもあり得ます。

 mixiやFind Job!をしっかり成長させていくために、他社との業務・資本提携も考えたいと思っています。場合によっては企業買収もあり得ます。具体的には決まっていませんが、自社では持っていない技術力のある会社や、mixiと親和性が高いサービスを持つ会社と何かしら提携していく、という可能性があります。

――mixiの収益構造は。

 広告とmixiプレミアム(月額315円の有料機能)の比率が8:2です。広告収入はまだまだ伸ばせると思います。ページビュー単価もかなり抑え目にしていて、「費用対効果がいい」とお客さんから言われています。

 次は適切なターゲティングを行っていきたいと思っています。現在、ユーザーさんの属性、男女、年齢で分けての広告配信は行っていますが、今後は興味・関心に合わせた配信もしたいと思っています。

――目論見書には「独自の検索エンジンを開発する」とありました。どのような検索エンジンになるのでしょうか。今後導入するターゲティング広告と関係があるのでは。

 それについては、まだお話できる段階にはありません。

新サービスの可能性は

――mixi、Find job!以外のサービスに進出する可能性は。

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