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日立、最終赤字転落へ HDD事業が悪化

» 2006年09月15日 16時45分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は9月15日、2007年3月期連結の業績予想を下方修正し、純損益が550億円の黒字としていた当初予想から、550億円の赤字に転落する見通しだと発表した。HDD事業の収益が悪化している上、原子力発電所の補修費用を計上するため。

日立製作所の株価チャート日立製作所の株価チャート(1年:縦軸の単位は円)

 修正後の予想は、売上高が9兆7400億円(前回予想は9兆7000億円)、営業利益は1800億円(同2900億円)、税引き前利益は1600億円(同2800億円)。

 HDD子会社・日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)の収益が悪化。4〜6月期後半から価格下落が著しい上、出荷台数は前年度比で大きく伸びるものの、需要の伸びが当初見通しを下回り、出荷計画を下方修正する。

 このため日立GSTの2006年12月期の業績見通しを下方修正し、売上高は5688億円(当初予想は6600億円)、営業損失は400億円(同80億円)になる見込み。前期の営業損失184億円から赤字幅が拡大する。

 改善策として、垂直磁気記録方式を採用した2.5インチ新製品の量産開始や3.5インチ新製品の投入に加え、歩留まり改善、生産性向上などによるコストカットを徹底する。

 今夏の天候不順から白物家電事業で国内家庭用エアコンの売り上げが不振だった上、高価格DVDレコーダーの市場縮小と価格下落も響いた。

 中部電力と北陸電力の原発で起きたタービン損傷について、補修費用を9月中間期に一括計上。電力・産業部門の営業益が大幅に減少する見通しだ。

 業績悪化から、中間配当は前年実績から2.5円減らし3円とする。執行役の月額報酬を一部減額し、会長・社長が10月から3カ月間30%減額などとする。

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