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8人に1人がネット中毒予備軍?

» 2006年10月18日 11時43分 公開
[ITmedia]

 米国人の8人に1人は、インターネットの利用に問題がある兆候が見られる――米スタンフォード大学医学部が10月17日、このような調査結果を発表した。

 この調査は全米での世帯調査、2513人の成人への電話による聞き取り調査により行われた。それによると、インターネット中毒の兆候がかなりの米国人に見られるという。

 調査によると、日常的にインターネットを使っているユーザーは68.9%。そのうち13.7%は数日間インターネットから離れているのが難しいと回答した。オンラインへの接続時間が意図していたよりも長くなってしまうことが多いという人は12.4%、インターネット利用を減らす必要があると思ったことがある人は12.3%に上った。

 また8.7%は家族や友人、勤務先から不必要なインターネット利用を隠そうとし、8.2%は問題から逃げたり、暗い気分を取り除く方法としてインターネットを使っていた。こうした行動はアルコール中毒患者のそれと似ており、最も懸念されると論文の主執筆者エリアス・アボジョウド助教授は述べている。

 同氏によると、サイバースペースへの不健全な愛着に関して医師の支援を求める人は、数は少ないものの増えている。これらの患者はインターネットを使って電子メールをチェックし、ブログを書き、Webサイトやチャットルームにアクセスしないではいられないと強く感じており、これは薬物乱用や衝動調節障害に見られるような、何らかの行動――それを実行した瞬間は快感を感じるかもしれないが、大きな問題につながる可能性のある――をしたいという反復的な抵抗しがたい衝動と似ているという。

 「われわれはよく、インターネットがいかに素晴らしいかに焦点を当てるが、一部の人にとって問題を作り出していることも考えなくてはならない」(同氏)

 ただし同氏は、今回の調査対象者が臨床的障害を持っているかどうかを判断するのは時期尚早だと強調し、次のステップとして包括的な臨床面接を提案している。

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