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» 2006年11月27日 19時22分 UPDATE

News Weekly Access Top10(2006年11月19日-11月25日)銚子電鉄に乗って「ぬれせん」買ってみた

銚子電鉄の副業「ぬれ煎餅」に関するニュースを追っているうち、どうしてもぬれ煎餅が食べたくなったので、銚子まで買いに行きました。

[岡田有花,ITmedia]

 先週のアクセストップは、新東京タワーのデザインが決まった、という記事だった。「日本の伝統美と近未来的デザインを融合した」そうだが、子どものころに「学研の科学」か何かで見た未来都市風のデザインにちょっとわくわくした。

 5位には、資金繰りに窮した千葉県のローカル線・銚子電気鉄道(銚子電鉄)が、副業の「ぬれ煎餅」販売で資金を集めようとネットで呼びかけ、大量注文が舞い込んでいる、というニュースが入った。このニュースを追っていくとぬれ煎餅がどうしても食べたくなり、我慢できなくなった記者は、週末に銚子に行ってきた。

画像 JR駅ホームから直結している銚子電鉄銚子駅。オランダ風風車をイメージした駅舎で、左の塔の先にはかつて、十字型の羽根が付いていたようだ

 銚子は、JR東京駅から特急「しおさい」に乗って2時間17分。午前11時半に銚子駅に着いたが、銚子電鉄が見つからない。駅員に聞くと「銚電はホームの中にある」と不思議な説明。もういちどホームに戻って発見した。銚子電鉄の銚子駅は、JRのホーム先端に間借りするような形で作られているのだ。

 銚子駅構内では、観光客とおぼしき高齢の女性の団体、家族連れ、カップル、カメラを抱えた20〜30代の男性などが、記者と同じように道に迷ったり、銚電を見つけて写真を撮ったりしていた。多くは、今回の「ぬれ煎餅買ってください」のニュースをテレビなどで見て来た人のようだ。

 赤と黒のかわいらしい電車は、約20分に1本のペースで運行しているため、それほど待たずに乗れる。ワンマン運転でチケットは車掌の手売り。30人ほどのお客さんでも車掌はてんやわんやだ。座席は満席だが立つ人が数人、という程度で、それほど混雑しているわけではない。

画像画像 車内の様子(左)と、手作り感覚あふれる車内の吊り広告。右下の、整骨院とピアノ教室とフィットネスセンターを1枚に詰め込んだ広告はなかなかアクロバティックだ

 発車する。カーブの少ない線路だが、直線を走行している時でもよく揺れる。線路も電車も相当老朽化しているようだ。前日にはレールの亀裂で一時運休しており、その前日にはまくら木の腐食などで関東運輸局から業務改善命令も出ている。

 キャベツ畑や住宅街を走り、15分ほどでぬれ煎餅を販売する「犬吠(いぬぼう)駅」に到着。十数人の乗客が一斉に降り、ぬれ煎餅売り場に向かう。店員のおばちゃんは「こんなにたくさん来ていただいてありがたいわぁ。テレビの影響ってすごいわねぇ」と嬉しそう。21日から24日にかけて、複数のテレビのニュースなどで取り上げられたようだ。

 ただ売り場には、ぬれ煎餅の詰め合わせが見あたらない。おばちゃんに聞いてみると詰め合わせは売り切れてしまい、バラ売りと「かわき煎餅」(普通の固い煎餅)しか残っていない状況。おばちゃんは「ここ数日は忙しくて、昨日はお昼ごはんを食べる暇もなかったほど」と笑い、記者が注文した30枚と「ぬれカステラ」を丁寧に袋に詰めてくれた。

 犬吠駅には観光案内所があり、ボランティアのおじちゃんとおばちゃん3人が、やや手持ちぶさたな笑顔を浮かべている。おじちゃんによると「この駅はポルトガル風のデザインなんだけど、壁のタイルがはがれてしまって。タイルを貼るボンド代もない」そうだ。

画像画像 売店ではぬれ煎餅のほか、さまざまな種類のおかき、煎餅類を販売中。右写真は犬吠駅の駅舎。蛍光色のジャケットを着ているのが観光案内ボランティアだ

 駅のベンチで待望のぬれ煎餅の封を開ける。もちのように柔らかい部分と、煎餅の歯ごたえが残っている部分とがまったく違う食感。醤油っ辛くておいしい。

 帰りの電車で「観音駅」に寄り、構内で販売しているたい焼きも食べた。地元の中学生の男の子がジャージ姿でたむろし、PSPをプレイしながらたい焼きやフライドポテトを注文して食べている。駅というより、近所の駄菓子屋といった風情だ。

 銚子駅に戻り、土産物屋で見つけた「ぬれ煎餅 うすむらさき」の詰め合わせを買う。さらに駅前の食堂に入り、銚子で水揚げされた魚たっぷりの刺身定食を食べ、記者の旅は終了した。たった2時間の旅だが、おなかいっぱいだ。

画像画像 銚電車内には「応援ありがとうございます。たくさんの課題はありますが、私たちはこの鉄道を守ります」と伝える紙が(左)。銚子の駅前は閑散としていた
画像画像 記者が持ち帰った「ぬれ」セット(左)。仕事のおともにぬれ煎餅。食べてもバリバリと音がせず、手も汚れないのがいい

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