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NASA、月面基地の建設計画を発表

» 2006年12月06日 14時57分 公開
[Brian Prince,eWEEK]
eWEEK

 米国とロシアの共同宇宙飛行を数日後に控えた12月4日、米航空宇宙局(NASA)は月面に宇宙基地を建設する計画を発表した。

 月面基地は火星飛行の中継地となるほか、NASAが行う幅広い学術調査に利用されると担当者は述べた。

 このプロジェクトのための月ミッションは2020年までに開始されると、NASAの広報担当者マイケル・J・ブローカス氏は12月5日に語った。現時点では基地建設に要するコストと期間の確実な試算数字はないという。

 月面基地計画は、Global Exploration Strategy(グローバル探査戦略)の議論から生まれた。この戦略は米国議会の決定に基づいて策定が進められているもので、NASAによる有人月飛行の再開の目標などが含まれている。この戦略を策定する取り組みにはNASAと米国外の13の宇宙機関の専門家を含む官民の1000人以上が参加している。

 「この戦略の下、関係国が宇宙開発の実績を生かして資金的および技術的な協力を行い、世界で利用可能な知識とリソースを最適に活用することで、われわれは活発な協調活動を通じて新時代における発見と探査を進めることができるだろう」とNASAのシャーナ・デール副局長は声明で述べている。

 月探査で最大の成果を上げる方法を検討するために5月に設置されたNASAの月アーキテクチャチームは、最も効果的なアプローチは、太陽エネルギーを利用した基地を月の両極のいずれかの近くに建設することだという結論に達した。

 「アーキテクチャの検討作業を通じて、重要な探査目標に取り組み、成果を上げるには何が必要かが明らかになった」とNASAの副局長代理で探査システム部門を統括するダグ・クック氏は声明で述べている。

 「これは、われわれが開始したプロセスを進め、アーキテクチャに加えて、米国と世界のエキサイティングな未来に向けてわれわれのさまざまな探査が果たす役割を、より明確に定義する上で極めて重要だ」(クック氏)

 NASAの計画担当者は、4人のクルーによるミッションから開始して徐々に規模を拡大する方針だ。月に7日間滞在するミッションを数回実施し、電源供給、月面移動車、居住区を整備していくという構想を描いている。その後、火星飛行に備えた180日間のミッションが実施される見通しだ。

 NASAの担当者によると、NASAは2007年に計画の整備を進め、今年開始された公開対話を継続する予定だ。

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