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「YouTubeとは違う」 「mixi動画」で日記をリッチに

» 2007年02月05日 16時25分 公開
[岡田有花,ITmedia]
photo mixi動画

 SNS「mixi」の新サービスとして、動画を投稿できる「mixi動画」が2月5日に加わった。投稿した動画をFLV形式に変換し、公開できる仕組みで、日記への引用も可能だ。mixi上でのコミュニケーションを、動画を通じて活性化する狙いで、YouTubeなど他の動画投稿サイトとは異なる性質のサービスに育てる。

 mixi動画は、AVI/MOV/MPEG/WMV/3GP形式の動画を投稿でき、携帯電話からの投稿にも対応した。1ファイルは最長5分、最大50Mバイトまで。1人あたりのファイル容量は500Mバイトまでとなっている。

 ユーザートップページには「マイミクシィ最新動画一覧」の欄を新設し、更新された動画をテキストで案内する。動画をタグで整理する機能も備えた。当初は自分で投稿した動画にタグ付けするだけだが、将来は他のユーザーのタグと結び付けるといった拡張も検討する。

 同社が想定している使い方は、飲み会や結婚式、子どもの様子などを記録した短い動画をアップし、日記に引用する──というもの。身近なできごとを携帯電話などで気軽に撮影し、mixi上のコミュニケーションの“ネタ”にしてもらう。

 「YouTubeは、1つの動画コンテンツをみんなで見に行くという使い方が多いが、mixi動画は1人1人が小さなコンテンツを発信し、その友人が見に行くという形。動画を媒介に、mixi上のコミュニケーションをリッチにしたい」――同社社長室の小泉文明さんは、YouTubeとの性質の違いをこう語る。


photo 日記に埋め込める
photo タグも付けられる

 まずは月額315円の有料プラン「mixiプレミアム」ユーザー10数万人に対して公開し、利用のされ方を見ながら全体公開の時期を検討する。

 プレミアムユーザーに限定して先行公開したのは(1)一般ユーザーとは違う機能を提供することで“プレミアム感”を感じてもらう、(2)全ユーザーに公開するより、負荷を抑えて運営できる、(3)クレジットカード番号登録が必須で個人を特定できるため、責任を持って投稿してもらえる――といった狙いがあるためだ。

著作権管理は厳しく

photo 「動画でコミュニケーションする、という新しい文化を築きたい」と小泉さん

 YouTubeを始めとした動画投稿サービスの多くは、著作権を侵害した違法動画が次々にアップされて問題化しているが、mixi動画は著作権侵害を防ぐための仕組みを備えた。動画の事前チェックこそ行わないが、事後に著作権者がチェックできる仕組みを構築。複数の権利者と話し合って理解を得たという。

 著作権者は、mixiに申請してIDの発行を受ければ、投稿された動画の一覧表示画面にログインできる。自社が権利を持つ動画の不正アップを確認した場合はミクシィに通報。ミクシィは通報を受け、アップしたユーザーへの注意や削除要請を行うほか、悪質な場合はユーザーIDの削除も検討する。

 ユーザーにも注意喚起する。初回投稿の前には「他者の著作権を侵害しない」「他人を不快にする内容の動画を投稿しない」といった内容の規約に同意を求めるほか、ユーザーからの不正動画の通報も受け付ける。パトロールスタッフも動画を巡回し、著作権を侵害していないかチェックするなど万全の体制を築く。

まずは「ビジネスより使い勝手」

 今後はユーザーニーズを見ながら、コミュニティーへの動画投稿機能や、投稿された動画を一覧表示するページなどといった機能拡張も検討していく。

 ビジネス面では、動画の前後に広告を挿入したり、ユーザーにテーマを与えて広告動画を募集する企画などさまざまな展開が考えられるが、「まずはユーザーに利用してもらい、使い勝手を良くすることが先決」とし、当面は機能強化に注力していく方針だ。

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