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エプソン、2期連続の最終赤字に

» 2007年03月14日 20時14分 公開
[ITmedia]

 セイコーエプソンは3月14日、2007年3月期の連結業績予想を修正し、純損益が180億円の赤字になる見通しだと発表した。従来予想は140億円の黒字だった。営業利益を上方修正するものの、ディスプレイ事業の構造改革に伴う特別損失を計上するため。

セイコーエプソンの株価チャートセイコーエプソンの株価チャート(1年:縦軸の単位は円)

 修正後予想は、売上高が1兆4140億円(従来予想は1兆4110億円)、営業利益が500億円(同400億円)、経常利益は480億円(同400億円)。

 今期からの新3カ年計画に基づく構造改革の結果、インクジェットプリンタ事業の収益性が改善するなどし、営業益は前期比で倍増、経常益は1.7倍になる見通し。だが中小型液晶ディスプレイ事業の回復が遅れているため、事業の見直しに踏み切る。

 販売量が未達だったカラーSTNは、今後もモノクロ携帯電話からの置き換えを狙うが、オペレーションを海外に完全移管する。同じく未達だったMD-TFDは、独自規格でコストダウンが難しいため、撤退する方針。

 今後はアモルファスシリコンTFTと低温ポリシリコンTFT(LTPS)に資源を集中。アモルファスシリコンは携帯電話やメディアプレーヤー、LTPSは高精細さをいかせるハイエンドスマートフォンなどを取り込んでいく。

 減損処理は406億円。08年3月期以降3年間で合計215億円の固定費削減を見込む。子会社のエプソンイメージングデバイスには550億円を追加出資し、財務体質を改善する。

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