東京都選挙管理委員会(都選管)は4月5日夜、動画投稿サイト「YouTube」「AmebaVision」に対して、両サイトに投稿されている都知事選候補者の政見放送を削除するよう申し入れた。AmebaVisionを運営するサイバーエージェントは6日、「特定の候補者の政見放送だけが自由に閲覧できる状況は不公平」などとし、該当の動画を削除した(関連記事参照)。
都選管は5日までに、YouTubeから政見放送を43件、AmebaVisionから22件探し出し、米YouTubeに対しては5日の午後7時ごろメールとファクスで、サイバーエージェントに対しては、午後10時ごろファクスと郵便で、削除を依頼した。
さらに、サイバーエージェントに6日朝に電話で事情を説明したところ、「検討する」との返答を得た。その後午前11時までに、AmebaVision上の該当動画22件すべてが削除されていることを確認した。
サイバーエージェントは、該当する動画のあったページに注意文へのリンクを掲載。「政見放送の放送回数は各候補者毎に決められており、AmebaVisionで特定の候補者の政見放送だけが自由に視聴可能となっているのは、他の候補者との公平性が保てずに不適切な状況にあるため削除した」などと説明し、今後同様な動画を投稿しないよう呼びかけている。
都選管は「政見放送をアップロードした人やその意図は不明で、公職選挙法違反に当たるかどうかは分からないが、手をこまねいていると選挙が終わってしまうため、まず現状を是正しようと削除依頼した。著作権侵害による削除依頼も検討したが、政見放送の著作権保有者は選管だけではないため断念した」とコメントしている。
政見放送は両サイト以外の動画投稿サイトにも投稿されているほか、両サイトが削除しても再びアップされる可能性がある。都選管は「どこまでできるか分からないが、できる限り対応する」としている。
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