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ユリ・ゲラー氏、「著作権法を曲げた」と訴えられる

» 2007年05月09日 18時40分 公開
[ITmedia]

 市民団体の電子フロンティア財団(EFF)は5月8日、スプーン曲げで有名なユリ・ゲラー氏を相手取って訴訟を起こした。

 同財団は、ゲラー氏が根拠のない著作権の申し立てにより、同氏に批判的なビデオをYouTubeに投稿した依頼人の言論を封じようとしたと主張している。

 依頼人のブライアント・サピエント氏は「不合理な信念」を暴く団体Rational Response Squadの一員。同氏らがこの団体の活動の一環としてYouTubeに投稿したビデオに、ゲラー氏のパフォーマンスを検証するテレビ番組「Secrets of the Psychics」が含まれていた。

 ゲラー氏はこのビデオが著作権を侵害したとして、米デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の下でYouTubeに削除を要請した。サピエント氏のYouTubeアカウントは一時停止され、同氏のビデオは2週間見られなくなった。

 だがEFFは、13分のビデオのうち、ゲラー氏の会社Explorogistが著作権を有しているとされる部分はわずか3秒間であり、これは批評のための公正使用にあたるとしている。

 「ユリ・ゲラー氏は、人々が彼の超能力に疑問を持つのが嫌なのかもしれない。だが、法の乱用により批判を抑えつけることは許されない」とEFFの弁護士マルシア・ホフマン氏は語る。

 EFFは、ゲラー氏のDMCA違反に対する損害賠償と、問題のビデオが同氏の著作権を侵害していないとする宣言的判決を求めている。また、同氏が今後このビデオに関してサピエント氏に法的措置を取ることを禁止することも要求している。

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