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» 2007年05月16日 19時37分 UPDATE

ソニー、ゲーム事業は今期も赤字に PS3出荷は倍増へ

ソニーの06年度決算では、ゲーム事業は2323億円と巨額の営業赤字に。原因となったPS3の出荷は倍増の1100万台を見込むが、価格に対し製造コストが上回る逆ざやの状態が続くため、営業赤字が続く見通し。

[ITmedia]

 ソニーが5月16日発表した2007年3月期(2006年度)の連結決算で、ゲーム事業の営業損益は2323億円の赤字(前期は87億円の黒字)になった。11月に発売した「プレイステーション 3」(PS3)関連コストがかさんだため。PS3は今期、前期から倍増となる1100万台の生産出荷を見込むが、価格に対しコストが上回る逆ざやの状態が続くため、営業赤字が続く見通しだ。

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 同事業の売上高は1兆168億円と前期比で6.1%増。3分の2を占めるハードは、「プレイステーション 2」(PS2)と「プレイステーション・ポータブル」(PSP)の販売減とPS2の値下げがあったが、日米欧で発売したPS3効果で全体では増収になった。ソフトはPS2向けの減少が響き、減収だった。

 PS3の06年度生産出荷台数は、発売当初の品数不足が響き、目標の600万台を下回る550万台にとどまった。大根田伸行CFOによると、販売店から消費者に販売されたセルスルー台数は「把握していない」が、同社から販売店に卸されたセルイン台数はおよそ360万台といい、在庫は差の190万台となる。

ソニーの株価チャートソニーの株価チャート(1年:縦軸の単位は円)

 巨額の営業赤字はPS3が原因。価格が製造コストを下回る「戦略的な価格設定」のためだ。実際に販売した分の逆ざや分に加えて、在庫で持っている分についても将来販売する際の損失を見込んで評価減を計上したため、赤字額が膨らんだ。

 07年度のゲーム事業の営業損益見通しは公表していないが、営業赤字が続く見通し。PS3の生産出荷台数は倍増し、コスト低減などで採算の改善を見込むが、逆ざや状態の解消は同年度中は難しいと見ている。ただ、採算改善分について評価減の戻し入れも見込めるため、赤字幅は縮小する見込み。08年度には黒字転換を予想している。

 ライバルの任天堂は07年度、「Wii」の販売台数を1400万台と予想(関連記事参照)。大根田CFOは、日本でPSの販売シェア(PS2 18%、PS3 20%)がWii(58%)に劣っていることは認めつつ、「北米ではPS2が33%、PS3が8%に対しWiiが16%。欧州ではPS2が30%、PS3が30%と6割に対しWiiが30%」と地域によって差がある、とした。

 PS3値下げの可能性については「価格はビジネス戦略上大事なこと。現時点でのコメントは差し控えたい」(大根田CFO)とした。

photophoto ハード・ソフトの生産出荷台数と見通し

 同じく任天堂の「ニンテンドーDS」に比べ苦戦しているPSPの06年度生産出荷は、「在庫消化を優先したため」(同社)、台数で41%減の836万台にとどまった。

 ただ、同社によると昨年の年末商戦から欧州などで好調が続き、日本でも「モンスターハンターポータブル2」(カプコン)がPSP初のミリオンを達成するなど、世界的に順調だとしている。ソフト出荷は30%増の5410万本に拡大した。07年度はハードが7.6%増の900万台出荷を見込む。

 PS2の06年度出荷はハードが12%減の1420万台、ソフトが13%減の1億9300万本。減少傾向とはいえ「想定以上に底堅く、当初予想以上の出荷だった」(同社)。07年度のハード出荷は約3割減の1000万台と見込んでいる。

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