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「GIF特許」ライセンス料訴訟でACCESSとUnisysが和解

» 2007年06月15日 19時18分 公開
[ITmedia]

 ACCESSは6月15日、いわゆる「GIF特許」のライセンス料支払いをめぐって米Unisysと争っていた訴訟で、Unisysに600万ドルを支払うなどの条件で和解することで合意したと発表した。

 訴訟は、ACCESSのWebブラウザ「NetFront」のGIFライセンス料の支払いをめぐり、ACCESSが2004年9月に東京地裁に起こしたもの。

 両社は2000年にGIFライセンス契約を締結し、ACCESSはNetFrontとCompact NetFrontについてライセンス料を支払っていた。だが04年4月、Unisysは、ACCESSが端末メーカーに供給したNetFrontの分についてもライセンス料を請求。これに対しACCESSは、各メーカーは個別にUnisysと契約してライセンス料を支払っているため、ライセンス料の二重支払いになるとして拒否。不当な請求による損害の賠償と、ライセンス料を支払う債務がないことの確認を求めて提訴した。

 Unisysも05年、米国で仲裁手続きの開始を申し立て、さらに連邦地裁に訴訟を起こしていた。

 和解した内容は、(1)ACCESSがUnisysに600万ドルを支払う、(2)全訴訟と仲裁手続きの取り下げ、(3)今回の係争に関する双方の請求権の放棄。ACCESSは「想定される仲裁判断の内容、今後の弁護士費用などを勘案し、Unisysの主張を受け入れることなく、和解した」としている。

 和解に伴い、ACCESSは今期に8億8600万円の特別損失を計上。07年7月中間期の業績予想を修正し、連結の純損益が92億700万円の赤字(前回予想は82億4700万円の赤字)になる見通し。

 「GIF特許」は、Unisysが1985年に取得した「LZW(Lempel Ziv Wilch)圧縮法」についての特許。日本を含む世界で既に失効している。

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