ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

「これなら安全」の子ども用チャットとは──Yahoo!きっず

» 2007年08月10日 20時37分 公開
[宮本真希,ITmedia]

 ヤフーは、子ども向けポータル「Yahoo!きっず」で、子ども同士が交流できる2次元仮想世界「ポケモンガーデン」を8月15日に公開する。チャット機能を備えるが、決められた単語から選んで会話する仕組みで個人情報の漏えいや中傷がないよう配慮。利用にはYahoo!JAPAN IDが必要だが、Yahoo!きっず以外では利用できない専用IDにして安全性を高める。

 オンラインゲームやチャットをしたいという子どもが急増する中、コミュニティーサイトで子どもがトラブルに巻き込まれる例も増えている。同社は「子どもが安全に楽しめるコミュニティーを提供するのが使命」とし、社会貢献事業として子ども向けコミュニティーを展開する。

「おはよう」「○○ですね」など1000語でチャット

 ポケモンガーデンは、ポケモン関連のコンテンツやゲームを楽しめる2次元仮想世界。ユーザーが設定したアバターでフィールドを歩き、他ユーザーとチャットしたりゲームしたりできるほか、成績やゲームアイテム獲得履歴を他ユーザーに公開したり、お気に入りのユーザーを登録することもできる。


画像 ポケモンガーデンの新作ゲーム。最大30人のアバターが、キャラクターとじゃんけんのようなゲームで戦う
画像 画面上でクリックすると、その場所までアバターが移動する

 ユーザー同士のチャットは「おはよう」「ありがとう」「○○ですね」など、1000語の単語を2つ組み合わせて行うる仕組み。チャット相手の個人情報を聞いたり、中傷したりできないようにした。Yahoo!IDとは別のあだ名を設定できるようにしてIDの悪用も防ぐ。

 ポケモンガーデンは、昨年6月から今年4月までの9カ月間限定公開しており、9000万ページビュー、1000万ユニークユーザーを獲得した人気サービス。ユーザーの声に応えて復活させたといい、今後は常設する。

 Yahoo!きっずとして初めて、Yahoo!IDと連動したサービス。18歳未満向け専用IDを、生年月日を登録して取得する。18歳になると自動的に成人向けコンテンツも利用できるようになる。

「オンラインゲーム」「チャット」「アバター」が3大ニーズ

画像

 子どもたちはこの1年で急速に、コミュニティーサイトへの興味を持ち始めたという。同社がYahoo!きっずユーザー960人に対して7月、「今後ネットを使ってやりたいこと」を聞いたところ、最も多かったのは「オンラインゲーム」(51.9%)、次いで「チャット」(43.6%)、「アバター作り」(35.1%)だった。

 ポケモンガーデンはそういったニーズに応えたコミュニティーサービス第1弾。今後は、Yahoo!JAPAN IDを利用して日記が書けるサービスなど、コミュニティーサービスの拡充を検討する。

 ただ、ネットコミュニティーは危険な場にもなり得る。悪意のある大人が子どもから個人情報を聞き出したり、ネット掲示板でいじめが起きたり――暗いニュースも相次いでいる。

 「ヤフーとしては、子どもが安心して使えるようなサービスを提供したい」(喜多埜裕明 最高執行責任者)。広告販売など積極的なビジネス展開は考えておらず、あくまで社会貢献として展開していくという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.