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» 2007年10月03日 18時03分 UPDATE

「読心検索」でGoogle追撃を狙うYahoo!

ユーザーの目的を予測してサポートするというYahoo! Searchの新しいソーシャル検索のアプローチは、Googleに対するYahoo!の戦いに役立ちそうだ。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米Yahoo!はライバルに追随して「Yahoo! Search」プラットフォームを刷新した。同社の従来の検索サービスよりも直感的な新Yahoo! Searchは、Yahoo!が進める改革を象徴するものだ。

 10月1日にスタートした新Yahoo! Searchでは、必要な情報を探しやすくするための幾つかの新機能に加え、Google、Microsoft、Ask.comといったライバルが最近アップデートした検索プラットフォームに匹敵し、場合によってはそれらに勝る魅力的なユーザーインタフェースが提供されている。

 このYahoo!の新しい検索プラットフォームは、同社の検索広告プラットフォーム「Panama」の技術を利用して開発された。このためYahoo! Searchでは、関連性の高い検索広告が表示されるようになっており、検索スピードも向上しているほか、写真の共有に使われるYahoo!のFlickrサイトのようなソーシャルツールと連動した機能が提供されていると同社幹部は述べている。

 Yahoo! Search製品管理担当シニアディレクターのティム・マイアー氏はeWEEKの取材に対し、ユーザー調査の結果、ユーザーにとって最大の問題の1つは、効果的な検索の仕方を覚えることであることが分かったと語った。通常、ユーザーは疑問の答えを見つけたり、目的に到達するために、4〜6回検索をする。同じような検索キーワードをタイプして、まったく異なる検索結果が表示され、検索に手間取ることが多いという。

 Yahoo!は新しく導入したSearch Assist機能により、こうした負担を軽減することを目指している。この機能は、ユーザーが検索ボックスに検索キーワードをタイプすると、灰色のドロップダウンメニューが表示され、ほかのユーザーが過去に入力した、そのキーワードや類似キーワードと関連する検索条件の選択肢を提示するというものだ。この機能はスペルミスを防いだり、目的の情報をより素早く見つけられるようにユーザーを支援する効果がある。

 また、直感的な検索をサポートするこの機能は、ユーザーを煩わせないように配慮されている。ドロップダウンメニューは、ユーザーが検索する際に必ず表示されるわけではない。Search Assistは、ユーザーがタイプするスピードを測り、ユーザーが検索キーワードを考えて少しスピードが落ちた場合にドロップダウンメニューを表示し、検索を手助けするようになっている。

 「この機能は状況に応じて動作する」とマイアー氏は語った。「ユーザーが手助けを必要としていない場合は、支援機能を提供しても意味がない。他社のWebサイトはユーザー支援機能を常に提供しているが、それは常に便利とは限らないことが明らかになっている。一部のユーザーはどう検索すればいいか分かっているからだ」

 Search Assistのような機能はこれまでなかったわけではない。Ask.comも支援機能を提供している。しかしマイアー氏は、Yahoo!のライバルは検索が行われるたびに支援機能を提供しており、ユーザーが指定した検索キーワードと概念的に関連するキーワードや語句を、Search Assistほど「掘り下げて提示」することはできていないと述べた。

 Forrester Researchのアナリスト、シャーリーン・リー氏は、新しいYahoo! Searchは、検索の意図をくみ取ろうという同社の試みを体現していると語った。

 「ほとんど『読心機能』とも言える。ユーザーが何を検索しようとしているかを、幾つかのキーワードから予想するからだ。しかも、この予想はユーザーがキーワードをタイプしている途中で、特に、タイプの手が止まったときに行われる」とリー氏はeWEEKに語った。「これは手軽なソーシャル検索の先駆けと言える。ユーザーがほかのユーザーのアクションを参考にして次のアクションを取るという点で、この機能はソーシャルだ。そのユーザーのアクションは、また別のユーザーが次のアクションを取るために利用されるだろう」

 また、Yahoo! Searchでは、ユーザーのさまざまな関心分野に沿って機能が強化されている。例えば、音楽アーティストの検索結果はチケットやツアーの情報とともに表示され、映画の検索結果には予告編や地元の映画館の上映時間が含まれるようになった。地元のレストラン情報、最新イベント情報(Yahoo!が買収したUpcomingのサービスを利用して検索される)、MetaCafeやYahoo!、YouTubeのビデオ、Flickrの写真も検索とアクセスが容易になった。

 ユーザーがこれらの分野のどれかについて検索すると、情報がパッケージングされ、ポータルのような体裁のページで返される。こうした情報のパッケージングは、Ask.comの3D Searchのアプローチと非常に似ている。

 「われわれは新しいYahoo! Searchを立ち上げるに当たって、検索を楽にすることに力を入れてきた。ユーザーの意図を理解し、それに合ったさまざまな情報をまとめて包括的な答えとして提供することで、ユーザーがいろいろなサイトを見に行く代わりに、1カ所ですぐに問題を解決できるようにすることを目指している」(マイアー氏)

 マイアー氏は、Yahoo! Searchでは今後、セキュリティを強化するとともに、ソーシャルコンピューティングツールとの連係を進め、これまでにない高度な情報活用機能を提供すると述べた。

 刷新されたYahoo! Searchの重要性は決して軽視できない。同社は今年、業績が低迷し、経営陣が交代するなど極めて厳しい状況に陥っており、Googleに次いで2位に甘んじている検索サービス市場でシェアの拡大を図っている。

 ジェリー・ヤン氏が今夏、テリー・セメル氏に代わってCEOに就任して以来、Yahoo!は巻き返しに向けて積極的に手を打っている。Yahoo! Mailを一新したほか、オンライン広告ネットワークを運営するBlueLithiumを3億ドルで、WebコラボレーションベンダーのZimbraを3億5000万ドルで買収している。

 新Yahoo! Searchは、ゲームの流れを一気に変えることはないかもしれないが、この検索プラットフォームの立ち上げとこれらの買収は、Googleやそのほかの検索ベンダーに対するYahoo!の戦いに役立ちそうな重要なステップだ。

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