ソフトバンクモバイルとヤフーは10月22日、ソフトバンク携帯電話向けのYahoo!検索を一新し、ユーザーが求めている可能性が高い検索結果を一発表示する「ダイレクト・ディスプレイ」機能を追加した。例えば地名を入力して検索した場合は地図を、タレント名なら画像検索結果を検索結果のトップに直接表示する。余分な操作の手間を省き、モバイル検索の使い勝手を高めるのが狙いだ。
ヤフーはモバイル検索で「oneSearch」コンセプトを掲げ、ユーザーの属性や検索意図などに応じた検索結果を返す技術の開発と精度の向上を図っていく。「ダイレクト・ディスプレイ」機能を第1弾として、2008年度中にはユーザーによって検索結果を変えるパーソナライズド検索を実装する計画だ。
「Yahoo!ケータイ」に追加されたダイレクト・ディスプレイは、ユーザーが求める検索結果を独自アルゴリズムによって推測し、上位に表示してアクセスしやすくする新機能。ヒットしたサイトをリスト化して返す通常の検索と異なり、ユーザーが求めている可能性が高い検索結果をダイレクトに表示する仕組みだ。
まず画像情報や地図、天気、交通情報、占いなどで対応した。例えば「六本木 ミッドタウン」と入力すると、検索結果のトップに最初から地図を表示。「上戸彩」と入力すれば上戸さんの画像検索結果を、「レシピ 酢豚」なら酢豚の画像と作り方を、「汐留 代々木」なら路線検索結果を、「しし座」なら星占いの結果をそれぞれトップに表示する──といった具合だ。
ソフトバンクモバイルの孫正義社長は「携帯でこれを検索しているならこれを知りたいだろうと推測し、ユーザーが情報を得やすくするもの」と説明する。「Yahoo!知恵袋」や公式コンテンツの検索結果をカテゴリーごとにまとめて表示する機能も加え、ユーザーが最小限のスクロールで結果を一覧できるようにした。
KDDIがau端末の待ち受け画面にGoogle検索窓を表示するなど、携帯各社はモバイル検索の強化を進めている。Yahoo!検索の新機能追加で、「最も使いやすいのはソフトバンク携帯」(孫社長)とアピールしていく。
ヤフーが掲げる「oneSearch」は、「ユーザーの意図を理解し、知りたい情報を一目で提供する」ことをうたった新コンセプトだ。
例えば「六本木」というキーワードで検索する場合でも、路線情報や周辺地図、飲食店など、情報ニーズはさまざま。その中からユーザーに最適な検索結果を推測して上位に表示し、利便性を高める。
一般的な検索傾向の分析に加え、個々のユーザーに応じた検索結果を表示するパーソナライズド検索も開発する。ユーザー個人の属性や検索履歴、行動履歴などを参照した上で、時間帯やエリアなどの情報も加味し、検索結果を表示。同じキーワードで検索しても、ユーザーや利用状況によって違う検索結果を返すようにする。2008年度中の実装を目指すが、その間も新機能を順次追加していく予定としている。
同時発表した端末の新ラインアップでは「プレミアム」をうたう。約12.9ミリとワンセグ端末では最薄という「821SH」を始め、AQUOSケータイとしては最薄約18ミリの・3.2インチワイドVGA液晶搭載の「920SH」、通常のカメラと同じキセノン管のフラッシュを搭載した「920SC」などをそろえた。
孫社長は「料金が安いソフトバンクというイメージを取り去りたいのではない。料金でリーズナブルというイメージと、プレミアムな上質感・かっこよさは両立できる」と強調。弱点とされてきた音楽機能も、WMAに対応した「S!ミュージックコネクト」の導入で、PC経由ながら購入可能楽曲数を一気に約450万曲に強化した。
他社に比べ低いARPU(加入者1人当たりの売上高)の引き上げが課題だが、検索機能の充実や「高速オンラインゲーム」の導入でデータ通信量を増やしていく考えだ。
KDDIとNTTドコモが導入する、いわゆる「分離プラン」については、孫社長は「既に1年近く前から割賦販売を取り入れており、業界に先駆けて実施済み。ユーザーには料金で還元できたのでは」と自信を見せる。
ただ、分離プラン導入を求めた総務省のモバイルビジネス研究会については「ビジネスは押しつけられてやるものではない。押しつけは長い目で見るといいことではないし、数人の有識者が決めつけていいのかという問題もある」と批判した。
米AppleのiPhoneについては「イエスもノーもコメントしない。まったくのノーコメント」とした。
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