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» 2007年11月19日 18時13分 UPDATE

「GyaOがやっと、Macで見られます」――MS「Silverlight」対応で

GyaOに寄せられる問い合わせで最も多いのが「Macで見られるようにしてほしい」というもの。Silverlight採用で、Macでも視聴できるようにする。ただ解決すべき課題は多い。

[岡田有花,ITmedia]

 USENの無料動画サービス「GyaO」で11月19日、マイクロソフト(MS)のメディア再生プラグイン「Silverlight」を活用した動画配信が始まった。GyaOはWindows Media専用サービス。これまでMacintoshでは利用できなかったが、Silverlightに対応することで新たに、Macでも視聴できるようにする。

画像 GyaOのSilverlight対応ページをMacで再生

 まずは映画の予告編5本の配信を始めた。対応動画は順次増やしていく予定だ。「GyaOをMacでも見たいというニーズはサービス開始当初から大きかった」とUSENのGyaO事業本部第1メディア局の高野輝次Web制作部部長は話し、Silverlightに期待を寄せつつも、「Flashと同じぐらい普及すればGyaOでも全面対応したい」とし、Silverlightの普及状況を見ながら対応を広げていく考えだ。

 「動画サービスのアクセス上位はYouTube、ニコニコ動画、GyaOだが、YouTubeとニコニコ動画はFlashベース。GyaOが唯一、Silverlightを採用したことには意義があるのでは」(高野部長)

GyaOのFlash対応、何度も検討したが……

 GyaOは2005年4月にスタートした動画配信サービスで、9月時点の登録ユーザー数は約1600万人。開始当初は急激にユーザーを増やしたが、Flashで動画を視聴できる「YouTube」などに人気を奪われてきた過去がある。

 「GyaOは『誰でも簡単に動画を見られる』とPRしてきたが、Macでは見られなかった。カスタマーサポートで最も多い問い合わせは、『Macで視聴させて』というもの。Macユーザーは『動画視聴に適したマシンなのに見られない』というジレンマがあるようで、単なる問い合わせを超えた熱いメッセージをいただいていた」(高野部長)

 FlashやQuickTimeなどMacに対応したフォーマット採用も、何度も議論してきたという。だが、数十万本もあるというWindows Media形式の動画資産をそのまま活用できない、Windows MediaのDRMを適用できない――といった問題があり、採用を見送ってきた。

 SilverlightならWindows Media形式の資産を活用できる上、「来年前半にリリース予定」(MS)としている1.1以降はDRMに対応し、DRM付き動画を配信できるようになる。「これまでの課題を一気に解決できると期待している。加えて、リッチな表現も可能になる」(高野部長)

 都内のマイクロソフト本社で開かれた説明会では、Macの実機でデモを実施。MSの春日井良隆デベロッパー&プラットフォーム統括本部シニアプロダクトマネージャーが「この場でこんなにMacと言ったのは初めてではないか」と話すほど「Mac」を連呼していたのが印象的だった。

Silverlight対応に残る2つの課題

画像 Silverlightに対応した映画予告編紹介ページ

 今回、Silverlightに対応したのは、「GAGA USEN」の映画予告編紹介ページ。「ライラの冒険 黄金の羅針盤」「ランボー 最後の戦場」など新作映画5作品のプロモーションビデオを閲覧できる。通常のGyaOコンテンツにはない機能として、全画面表示にも対応。Silverlightをインストールしていないマシンでアクセスした場合はダウンロードページに誘導する。

 GyaOの通常コンテンツでも順次Silverlight対応を進めていく計画だが、本格対応に向けた課題として高野部長は、(1)DRMに対応したSilverlight 1.1の早期リリース、(2)Silverlightの普及率の低さ――を挙げる。

 「とはいえ、ある程度普及すれば、通常コンテンツもSilverlightに積極的に対応させていくよう(宇野康秀)社長から指示を受けている。動画にSilverlightアイコンを設置し、Windows MediaとSilverlight両方を選べるようにするなどして順次対応していくだろう」(高野部長)

開発面で課題も

 今回の映画予告編ページは、SEとデザイナーが分業して構築した。「Flashだとデザイナー1人でも構築できるが、SilverlightはデザイナーとサーバのSEがそれぞれ必要だった。デザイナーに任せて、もうちょっとリッチな表現をしてみたかったのだが……」と高野部長は振り返る。

 新しいフォーマットで、開発者コミュニティーも未整備だ。「Flashはバージョン5のあたりで、ユーザーと開発者がコミュニケーションして現場的な広がりが出てきた。Silverlightも早い段階で、汎用的な、幅広い表現ができるようになれば」

 開発ノウハウも手探り。「開発中に疑問があるとGoogle検索で解決するのだが、Silverlightは検索してもヒットしない」と高野部長がこぼすと、MSの春日井シニアプロダクトマネージャーが「これから協力して充実させていきましょう」ととりなす――という一幕もあった。

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