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インターネットのキャパシティ、2010年には飽和状態に――米調査

» 2007年11月21日 10時16分 公開
[ITmedia]

 2010年までに、インターネットの利用が処理能力を追い越す――調査会社の米Nemertes Researchは11月19日、こんな調査報告を発表した。

 ネットの「高速道路」に当たる光ファイバーやスイッチ・ルータなどの能力は今後も順調に拡大するものの、「一般道」に当たるネットアクセスのインフラが増え続けるトラフィックをサポートできない状態になるという。

global (資料:Nemertes Research Group)

 このギャップを埋めるためのインフラ増設に必要な投資額は、北米では420億〜550億ドルに達し、事業者による投資予定額を60〜70%上回るという。世界全体では1370億ドル相当の投資が必要だと試算している。

 このギャップの影響でネットが利用できなくなるわけではないが、例えばオンラインでの商品購入の確認が1度で済まない、動画のダウンロードにより長時間かかる、などの影響が予想されるという。さらに、技術革新の速度が遅くなり、ひいてはビジネス面での革新も進まなくなる、とNemertesは指摘。「次のGoogleやYouTube、Amazonは、需要の欠如ではなく、需要を満たす手段がないことが理由で出現できなくなるかもしれない」と警告している。

 米調査会社のcomScoreによる5月の調査によると、米国のネットユーザーの約75%が平均158分ネットでビデオを視聴し、83億本以上のビデオをストリーミング再生したという。

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