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Google、2008年に新Webサイト作成ツール発表か?

» 2007年12月05日 15時04分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米Googleの広報担当者は、同社が買収したJotSpot資産のGoogle Apps製品ラインへの統合について固く口を閉ざしてきたが、あるGoogleウォッチャーがスクープをものにした。

 検索エンジンマーケティングを手掛けるアンドルー・ミラー氏によると、Google Page Creatorを拡張した「Google Sites」が2008年にリリースされ、このアプリケーションでJotSpotのコラボレーションソフトの機能が提供される。同氏はGoogleと企業支援団体の米Ann Arbor Chamber of Commerceが11月29日に開催したミーティングで、この計画の詳細情報を入手した。

 企業はGoogle Sitesにより、複数のユーザーが共同で作業できるイントラネットやプロジェクト管理サイト、顧客向けエクストラネット、カスタムサイトを立ち上げることができると、ミラー氏は述べた。元JotSpotの製品開発担当副社長で、現在はGoogleのプロダクトマネジャーを務めるスコット・ジョンストン氏が、このミーティングでそう説明したという。

 Googleは相変わらずこの件について沈黙している。Googleが2006年10月にJotSpotを買収して以来、JotSpot資産の統合は、常にメディアやオンラインコラボレーション専門家の関心の的となってきた。

 広報担当者は12月3日、eWEEKの取材に対し、「Googleは、JotSpotの技術をGoogle Appsに統合することに取り組んでいる」と従来の説明を繰り返した。だが、取り組みの詳細や成果のリリース時期は明らかにしなかった。

 注目されるのは、ユーザーがSitesでドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーションをオフライン編集できるようになることだ。これは、こうした機能を実現するGoogle Gearsプラグインのおかげだ。

 Sitesでは、ユーザーがオフラインでドキュメントを編集しているときに、別のユーザーがそのオンライン版を同時に編集していると、同時並行の編集作業を時系列で調整するアルゴリズムが、オフライン版がオンライン版にマージされる際に適用される。

 Webベースのアプリケーションは、Microsoft Officeのようなダウンロード可能なオフィスソフトに代わる選択肢として利用されている。データをオンラインで保存でき、添付ファイルを送信する必要がないからだ。

 しかし、こうしたアプリケーションの難点の1つとして、オンラインワークスペースにアクセスするにはインターネットに接続しなければならないことが挙げられる。モバイルユーザーはいつでもどこでも(特に航空機内などで)自分のドキュメントデータにアクセスできることを望んでおり、ユーザーがオフラインでドキュメントを扱えるようにすることは、Webベースアプリケーションのベンダーにとって急務となっている。

 InstaCollは、Microsoft OfficeやGoogle Appsの対抗馬として11月20日にリリースした「Live Documents」で、オフラインアクセスを目玉にしている。AdventNetのWebベースワープロ「Zoho Writer」も、11月26日からオフラインでのドキュメント閲覧・編集が可能になっている

 また、ミラー氏は、GoogleとAnn Arbor Chamber of Commerceが開催したミーティングでジョンストン氏から、「Sitesでは、任意のタイプのファイルをアップロードして保存できる」「GmailとGoogle Calendarで、Google Gearsをサポートする機能の開発が行われている」「Googleは、GrandCentralのVoIP技術をGoogle Appsに取り込む作業を進めている」という説明があったと述べている。

 ミラー氏は、自身のビジネスブログ「Your Search Advisor」に掲載したこのミーティングに関する投稿で、ジョンストン氏が行ったプレゼンテーションについて詳しく報告している。

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