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ドワンゴ、「アーティスト名:初音ミク」のJASRAC登録で「クリプトンと協議中」

» 2007年12月20日 20時23分 公開
[ITmedia]

 ドワンゴ・ミュージックパブリッシングが、クリプトン・フューチャー・メディアの楽曲作成ソフト「初音ミク」を使って作成された楽曲「みくみくにしてあげる♪」を日本音楽著作権協会(JASRAC)に登録した際に、アーティスト名を「初音ミク」と申請したことについて、ドワンゴ側は12月20日、「クリプトン側と協議して対応する」とコメントした。

 クリプトンの伊藤博之社長は12月18日付けのブログのコメントで「『みくみく〜』JASRAC登録について、なぜその必要があったのかドワンゴ・ミュージックに説明を求めた。アーティスト:初音ミクという表記については事前に相談がなかった」などと書いていた

 ドワンゴ側は「初音ミクを使った楽曲のJASRAC登録の予定があることについては、クリプトンに当初から伝えてある。先方が知らなかったということはあり得ない」としている。ただ、登録時のアーティスト名については「作家名+featuring初音ミク」と表記するようクリプトンから依頼されており、「初音ミク」で登録されてしまったのは手違いだったと謝罪。アーティスト名については「クリプトン側と協議して対応する」としている。

 JASRACによると、楽曲を信託する「信託契約」と、アーティスト名などを登録する「登録申請」は別個の作業。今回は、信託した楽曲について、アーティスト名を登録する際、ドワンゴ・ミュージックの手違いで「初音ミク」と登録してしまった――という経緯のようだ。

ひろゆき氏がコメント

 この件について2ちゃんねる管理人で、ニワンゴ取締役の西村博之氏は「さっさと(アーティスト名に)『featuring』って文字を入れれば解決だと思うんですが、なんでそうならないのかなぁ……と。ただ、クリプトンさんとドワンゴ・ミュージックで説明が食い違ってるので、どっちが間違った説明をしてるのかなぁと生暖かく見守っていますー」とコメント。

 初音ミクを使用して製作した楽曲から対価を得ることについては「面白いものを作った人が、それでご飯が食べられるのであれば、いいことなんじゃないかと思ってます」とする。また初音ミク楽曲の著作権管理方法については「カラオケで歌いたいと思っても、JASRACやイーライセンスなどに登録しないと、日本ではカラオケに登録出来ないというシステムの問題があるので、広く楽しまれるためには、そういった機関を利用せざるを得ない面もあるし、利用するメリットもあるかと」としている。

 JASRACとの信託契約については、弁理士の栗原潔さんのブログ「JASRACと信託契約を結ぶ場合の課題について」に詳しい。

 ネット上では「初音ミク楽曲を使用した作品のドワンゴからの着うた配信が、作者と契約がないまま行われた」――という内容の「2ちゃんねる」の書き込みが話題になっているが、これについてドワンゴ側は「クリプトン側の問題であると認識している。現在、事実関係を整理して、まとめているところ」とコメントした。

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