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富士通、通期の営業益予想を上方修正 PCが好調

» 2008年01月31日 20時13分 公開
[ITmedia]

 富士通は1月31日、2008年3月期の連結営業利益予想を修正し、前回予想から50億円増の2000億円(前期比9.9%増)になる見通しだと発表した。円高で電子部品の採算悪化などを見込む一方、好調なPCなどがカバー。

富士通の株価チャート富士通の株価チャート(1年:縦軸の単位は円)

 予想売上高は前回予想から500億円減の5兆3500億円(前期比4.9%増)。円高の進行による欧州のサービス事業や電子部品などの影響を織り込んだ。営業益は上ぶれしたものの、円高による為替差損から、予想経常益は1600億円(同8.6%増)で据え置く。

 予想純利益は前回から250億円減の400億円(同60.9%減)に下方修正した。米AMDと共同出資したフラッシュメモリメーカー米Spansion株式の評価損198億円の特別損失に計上するほか、先端プロセス開発の三重工場への移管に関連し、あきるのテクノロジーセンターの設備移設や廃却で約100億円の費用を見込む。

 PCと携帯電話、HDDを含む「ユビキタスプロダクトソリューション」の予想売上高は1兆2100億円に据え置くが、内訳ではHDDの減収分200億円をPC/携帯電話の増収でカバーした形。予想営業利益は500億円。HDDは数十億円の赤字で、黒字分はPC/携帯電話が稼いだ。

 ユビキタスプロダクトソリューションは10〜12月期、前年同期にWindows Vistaによる買い控えの影響があったPCが伸張。メモリ価格の下落などによるコストダウンも進み、収益を伸ばした。HDDは垂直磁気記録方式の新機種の本格販売が始まり、3四半期ぶりに黒字化した。

 10〜12月期の連結決算は、売上高が1兆2949億円(前年同期比8.1%増)、営業利益が466億円(前年同期比395億円増)、経常利益が437億円(同395億円増)、純利益は55億円(同43億円増)。

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