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Windows版100ドルノートPC、年内登場か

» 2008年02月08日 14時52分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは、Windows XP SP2の改変版がOne Laptop Per Child(OLPC)プロジェクトのXOマシンで機能し、優れた体験で顧客をサポートできるようにするためのフィールドテストを実施している。

 「これまでXOマシンでのWindowsの動作を見た感じでは期待が持てる。フィールドテストは1月末に始まり、OSイメージを縮小したカスタマイズ版のWindows XP SP2を搭載したXOマシン約200台で行っている」とMicrosoftのUnlimited Potential部門上級副社長オーランド・アヤラ氏はeWEEKに語った。

 Unlimited Potentialチームは、Windows XPがXOで問題なく機能するようにする作業を担当している。都度払い方式のWindowsとOfficeのトライアルや、Windows Starter Editionも手掛けている。

 フィールドテストは2つの段階に分けられる。最初の段階は新しいBIOSとドライバを技術的にテストし、次は新興市場の学生や教師に実際の学校生活で試してもらう。

 第1段階は既にシアトルで進められており、今月いっぱい続くとみられる。第2段階のプランはまだ策定中だ。

 「だが、フィールドテストが完了して、堅固な顧客体験を生み出すまでは、XOのWindowsサポートを保証することはできない」(アヤラ氏)

 これは、Microsoftがこのプロジェクトへの情熱をOLPC創設者であるMIT(マサチューセッツ工科大)のニコラス・ネグロポンテ氏ほどには語らない理由を物語っている。ネグロポンテ氏は最近、WindowsのXO対応が決定し、着手できるようになったと示唆した。

 ネグロポンテ氏からのコメントについて聞かれると、アヤラ氏は、「ネグロポンテ氏がCESでWindows(対応)に興奮していた理由は、その数週間前にボストンで会ったときに、WindowsがこんなにきちんとXOで動くようになっていたことが予想外だったからではないだろうか」とのみ語った。

 しかし、解決が必要な「XOに固有の、小さいとは言えない技術的な問題」がまだ幾つかあるという。XOにはHDDはなく、1Gバイトのメモリが内蔵されているが、WindowsとOfficeには少なくとも2Gバイトが必要だと同氏は言う。

 XOにはSDスロットが1基装備されているので、WindowsとOfficeを2GバイトのSDカードに格納してXOで使うことはできる。XOはLinuxベースのSugar OSで動いている。

 Microsoftはまた、Windowsを直接SDカードからブートできるように適切なBIOSを書かなくてはならないし、XOのメッシュネットワーキング機能、カメラ、ディスプレイなどの独自機能をサポートするドライバもたくさん必要だとアヤラ氏は言う。

 フィールドテストが成功した場合に、いつWindows XPを搭載したXOが登場するかを同氏は明らかにしなかったが、年内の可能性が高い。

 Microsoftは、フラッシュメモリ搭載機器のメーカーが、高品質のWindows体験を提供できるマシンを設計するための正式な設計ガイドラインも公開する計画だ。

 だがXOへの道は平坦ではなかった。Intelは最近、OLPCの理事会を脱退した。同団体は、Intelは加盟していた6カ月の間ほとんど貢献しなかったと語り、大きな損失ではないと示唆した。

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