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プリペイドカード式PC、MSがテストへ

» 2006年05月22日 14時49分 公開
[ITmedia]

 米Microsoftは5月22日、新興市場の消費者向けの「pay-as-you-go(都度払い)」のPC購入モデルを発表した。

 このモデルは同社の「FlexGo」技術を使い、Windows PC購入のより柔軟な選択肢を実現するという。ユーザーはプリペイドカードあるいは月額料金制を使ってフル機能のWindows PCを安価な初期費用で入手できる。

 Microsoftはブラジルで地元の大手小売業者Magazine Luizaとともに1年にわたってこのモデルを試験し、成功を収めた。第2弾のトライアルは、ブラジル、中国、ハンガリー、インド、メキシコ、ロシア、スロベニア、ベトナムで行われる。

 MicrosoftのFlexGo技術は、ハード、ソフト、サービスソリューションを連係させて、PCの利用時間を測定し、加算する。ユーザーはプリペイドカードを購入することで、インターネットカフェのように、PCを使う時にだけその費用を支払う。この技術はユーザーにPCを使った時間を通知し、ユーザーはプリペイドカードから数字を入力するだけで、利用時間を追加できる。利用時間を追加しないと、PCは徐々にアクセスが限定された状態に入る。

 ユーザーはある一定の時間を購入すればPCの所有者になれるが、ベンダーはFlexGoを使ってこの初期費用を50%以上減らすこともできる。

 ブラジルでのトライアルは今週に、インド、メキシコ、ロシア、中国でのトライアルは向こう数カ月以内に開始される。

 またFlexGo技術を使えば、フル機能PCを月額料金制で提供することもできる。Microsoftは通信会社とともに、1年以上前からブロードバンドアクセス付き月額料金制PCに取り組んできた。同社は向こう数カ月のうちに、インド、ハンガリー、ベトナム、スロベニア、ブラジルの通信会社と協力してFlexGo技術を使った月額制PCを提供開始する。

 今回行われるトライアルには、AMD、HSBC Bank Brasil、Infineon、Intel、Lenovo、Phoenix Technologies、Transmetaなどのパートナーが参加する。

 Intelはインドで提供している「Community PC」など、開発途上国向けの「Discover the PC」プラットフォームでFlexGo技術をサポートする。

 AMDは自社のプロセッサにFlexGo技術を組み込むべくMicrosoftと共同開発を進めており、特に同技術をサポートするプロセッサを開発する意向だという。これはAMDの50×15(2015年までに世界人口の50%にインターネットとコンピュータを提供する)構想の一環。

 TransmetaはFlexGoをサポートする専用のEfficeonプロセッサと参照システムプラットフォームを開発、Phoenixはファームウェアで同技術をサポートする。

 Lenovoは中国とインドのトライアルに参加。同社のデスクトップPCをプリペイドカードを使って利用できるようにし、プリペイドカードの販売も行う。

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