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» 2008年02月12日 15時08分 UPDATE

Yahoo!、選択肢は「AOLを買収」か「Googleと提携」か?

株価に62%上乗せした買収価格を「過小評価」とつきはなしたYahoo!に勝算はあるのだろうか。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米Yahoo!の取締役会は2月11日、1週間以上の沈黙を破り、Microsoftによる446億ドルでの買収提案拒否する意向を正式に発表した。同社を「あまりに過小評価している」というのが、拒否の理由という。

 Yahoo!の取締役会は2月8日に同社の経営陣や財務および法務アドバイザーらと電話会議を行い、「Microsoftによる買収提案はYahoo!のブランド力や世界中に広がるユーザーのほか、広告プラットフォームや将来の成長分野に対する投資、フリーキャッシュフロー、潜在的収益力、Yahoo! JAPANやAlibabaへの投資など、Yahoo!の価値を正当に評価していない」との結論に達したという。

 eWEEK編集部はMicrosoft幹部にコメントを求めたが、返答は得られなかった。

 eWEEK編集部はYahoo!のジェリー・ヤンCEOが2月11日付で従業員にあてたメールを入手したが、同氏はこのメールで同社の経営再建計画について改めて確認している。

 「当社はユーザーにとってインターネットの主要な出発点となり、また広告主にとってマストバイな存在となることで成長を加速させるべく、必要な要素を配備しているところだ。世界のオンライン広告市場は2007年の450億ドル規模から2010年には750億ドル規模に拡大するとみられており、当社もよりフォーカスを絞った各種の戦略により、この市場でさらに大きなシェアを獲得していきたい」とヤン氏はメールで語っている。

 同氏は経営立て直しを確信できる理由として、Yahoo!のブランド力、潤沢な営業キャッシュフロー、コンピューティング分野への投資などを挙げている。

 Yahoo!は現在、パーソナライズしたホームページ、メール、音楽、ニュース、スポーツ、買い物、旅行など、各種のインターネットサービスで5億人のユーザーを擁しており、Microsoftはそうしたユーザーを獲得してオンライン広告のシェア拡大につなげたいと考えている。

 さらにヤン氏は、2009年にはキャッシュフローで2けた成長を達成し、「経営再建計画の実行に向けた財務的な柔軟性を確保できる」と考えている。またコンピューティングインフラに関しては、データセンターへの投資によって処理能力を高め、アルゴリズム検索を最高で10倍強化できる見通しという。

 Yahoo!の取締役会は声明文で「現在あらゆる戦略的な選択肢を検討中だ」と語っているが、Yahoo!の広報担当者はそうした選択肢の具体的な説明は拒否し、eWEEKに対しては、「取締役会の検討作業の詳細は関知していない」と語っている。

 一部からは、そうした選択肢にはGoogleとの事業提携の可能性が含まれるとの指摘も上がっている。Yahoo!が自社の広告システム「Panama」を捨てて、Googleに広告配信を委託する可能性だ。その場合、Yahoo!はその売り上げからかなりの分け前を受け取ることになる。

 ほかにも、Yahoo!がAOLとの事業提携を検討中との報道もされている。Yahoo!がどの選択肢を取るにせよ、Microsoftの抵抗は必至だろう。MicrosoftはYahoo!が買収提案を拒否したことについて、遺憾のコメントを発表している

 Microsoftは買収条件を引き上げ、1株当たり40ドル以上での買い取りを提案し、Yahoo!買収への熱意を強調することになるかもしれない。調査会社の米IDCのリポートによると、Yahoo!の資産を獲得すれば、Microsoftはオンライン広告市場でGoogleに次ぐ第2位となる。

 IDCのアナリスト、カーステン・ワイデ氏によると、MicrosoftとYahoo!が合併すれば、Microsoftは米国の広告市場で17%のシェアを確保することになるという。Googleのシェアは23.7%だ。

 「たとえMicrosoftとYahoo!が合併しても、米国のオンライン広告市場でGoogleに追い付くことはできないが、それでも、各自が単独で勝負するよりかははるかに大きな戦いのチャンスをつかめるはずだ」と同氏。

 Microsoftは2月1日、その前日のYahoo!株価に62%上乗せし、Yahoo!を446億ドルで買収するとの提案を行った。

 Googleの最高法務責任者デビッド・ドラモンド氏は、MicrosoftとYahoo!が合併すれば、インスタントメッセージング(IM)やWebメールのアカウントがあまりにたくさんMicrosoftのもとに集まり、MicrosoftはPCソフトウェアの独占状態を築き、競合他社のメールやIM、Webベースの各種サービスを利用できないよう、ユーザーを囲い込むことになりかねないと指摘している

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