富士通は2月12日、LSI事業を分社化して「富士通マイクロエレクトロニクス」を3月21日付けで設立すると発表した。主力のASIC(特定顧客向け専用IC)などに加え、ASSP(特定用途向け汎用LSI)やマイコンなどの汎用品事業を強化し、2009年度に営業利益率5%の達成を目指す。
設計や開発、製造、販売などLSI関連事業を分社化し、富士通100%出資の子会社として設立する。資本金は資本金600億円。社長には富士通の小野敏彦副社長が就任する。富士通エレクトロニクスなど、LSI関連の富士通子会社・関係会社は新会社の傘下とし、従業員は単独で6800人、連結で1万3500人。
現在の事業の柱はASICとCOT(Customer Owned Tooling)だが、今後は「一発完動」の実績を積み上げてきたASSPや、マイコン、アナログなど汎用品の開発リソースを強化。デジタル一眼レフで世界シェア50%の画像エンジン「Milbeaut」や地デジチューナー、H.264コーデック、自動車向けなどに注力していく。
同日開いた記者会見で、社長に就任予定の小野氏は、飛行機が離陸する写真をスライドに使いながら「念願かなって独立する」と報告。「個人的にはもっと早く分社化すべきだったと思う。半導体市場の変化のスピードはますます速くなっており、これは数年前には読めていたはずだ」と、分社化で市場に即応できる機動的な経営が可能になると説明した。
LSI事業の2007年度実績は損益とんとんの見通し。現在は赤字のASSPが「刈り取り期」に入り、09年度に営業利益率5%、10年度には7%の達成を目標に掲げる。新規投資は自前のキャッシュで独自に行っていく方針だが、外部資本の導入や株式公開、他社との提携などは「白紙」としている。
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