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» 2008年02月14日 22時39分 UPDATE

アッカ・木村社長、イー・アクセス提案に改めて反対

アッカに対しイー・アクセスが経営陣退任を要求した問題で、アッカの木村社長は「提案は具体的な株主価値向上が見えない」として改めて反対。ドコモとHSDPAのMVNOで提携するなど、ワイヤレスブロードバンド事業を成長させてADSLの落ち込みをカバーする戦略を打ち出す。

[ITmedia]
photo イー・アクセスが退任を求めているアッカの木村社長(左)、湯崎副社長(中央)、廣野広一財務経理部長

 アッカ・ネットワークスに対し筆頭株主のイー・アクセスが現経営陣の退任を要求した問題で、アッカの木村正治社長は2月14日、「提案は役員の交代だけが主眼であり、株主価値向上が見えない」として改めて反対を表明した。法人を中心に株主にも既に現経営陣の方針を説明し、「理解をいただいている」と話した。

 都内で開いた決算説明会で、木村社長は「企業価値向上の提案があれば具体的に検討する」としつつ、今回の提案は経営陣交代の要求であり、それ以外の具体的な策が不明として反対する立場を説明。10社以上の法人株主と接触し、「反対には理解いただいている」と自信を見せた。大株主のNTTコミュニケーションズはイー・アクセス提案を支持しない方針とされる。

 定時株主総会は3月28日の予定。今後、イー・アクセスとの委任状争奪戦(プロキシーファイト)になる可能性については「最終的にどうなるかは分からない」(湯崎英彦副社長)としたが、「株主構成は十分分析している」(木村社長)と、状況によっては株主に直接アプローチしていく考えを示した。

 同日、2008年12月期の年間配当予想を、前期の年間5000円から50%増となる7500円(中間3750円+期末3750円)とする増配方針を明らかにした。同期の予想1株当たり純利益(EPS):1万1251円から計算すると、配当性向は7割近くに達する。木村社長は「今後、軸足をワイヤレスなどの新規事業に移していくが、短期に大幅な増収は考えておらず、現時点でできる株主還元をしておく」と説明。手元流動性は90億円以上あり、今期の増配は十分可能だという。今後も同額の配当水準を維持できるよう努力する、とした。

ワイヤレスブロードバンドに本格参入

アッカ・ネットワークスの株価チャートアッカ・ネットワークスの株価チャート(1年:縦軸の単位は1000円)

 2007年12月期の連結業績は、売上高が前期比9.7%減の350億7900万円にとどまった。光サービスなどは拡大しているものの、326億9900万円と前期比14%の減収になったDSLの落ち込みが大きい。同期末のDSL加入者数は96.2万件と、100万を割っている。ただ、コストカットなどで利益率が改善した結果、営業利益は5.9%増の19億9100万円と、予想から上ぶれして着地。WiMAX事業の中止などで5億円以上の特損を計上したが、最終利益も39.0%増の14億7500万円を確保した。

 今期もDSLの落ち込みは避けられず、予想売上高は310億円と1割強の減収を見込む。コスト削減の徹底などで予想営業益・経常益は19億円、予想純利益も14億円と前期並みを計画しているが、DSL事業の落ち込みをカバーする新規事業の立ち上げが課題になっている。

 木村社長が中長期的な方向として示したのは「ブロードバンド・マルチアクセス・プロバイダー」という定義。同日、NTTドコモとHSDPAのMVNO(仮想移動体通信事業者)で合意したと発表した。「法人向けを想定しているため、エリアが最も広く、ネットワークも堅牢なドコモが最適」(湯崎副社長)として、WiMAX参入時に組んだドコモをパートナーに選択。今年中ごろにはサービスを始める計画で、ワイヤレスブロードバンド事業に本格的に参入する。

 また大株主のNTTコミュニケーションズ、ADSLのパッケージ提供で縁のあるウィルコムと共同でFMC(Fixed Mobile Convergence)を展開する計画も明らかにした(時期は未定)。また公衆無線LANベンチャーのトリプレットゲートとも協業し、無線LANをサービスメニューに加えていく方針。地方事業者のWiMAX参入時のコンサルティングサービスも始める。

 ワイヤレスブロードバンド事業で2010年12月期に60〜70億円の増収を目標に掲げ、同期全体では「今後の検討によるが、350億円は超えていきたい」(木村社長)という。

 イー・アクセスは、アッカの利益率がイー・アクセスに比べ低いことを指摘しているが、木村社長は「インフラビジネスはボリュームの大きさで効率に差が出る。またISP向けのホールセール(卸売り)によって来たためISP機能を持たず、顧客管理や電話とのセット販売などもできず、営業効率が良くなかった」と見る。今後は法人向けを中心に営業力を強化するなどし、新規事業を軌道に乗せるなどして経営指標と株価の改善につなげていきたいとした。

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